台湾有事リスクは未消化、米中対立に日本企業が巻き込まれるとダメージ大

 先週の日経平均は、米インフレ沈静化、米景気ソフトランディング期待が高まって大幅高となって2万8,546円まで上昇しました。

 ただし、先週の週初は、台湾有事リスクの高まりを嫌気して日経平均は下落し、8月10日には一時2万7,729円まで下がっていました。米景気ソフトランディング期待で日米とも先週の株価は上昇しましたが、台湾有事リスクについて、世界の株式市場は未消化であると思います。

 もし台湾有事が現実となると、世界経済・株式に与えるインパクトはウクライナ危機よりけた外れに大きくなります。特に日本への経済的ダメージが大きくなる可能性があります。

 さすがに、短期的に有事が起こるとは考えられません。軍事的な問題の前に、起こり得るのは経済的な駆け引きです。米中対立が激化し、それに日本企業が巻き込まれると、ダメージが大きくなります。中国でビジネスを行う日本企業が、米中対立の影響でマイナス影響を受けるリスクに、当面、注意が必要です。

 日本株は割安で、長期的に買い場を迎えていると判断していますが、短期的なショック安がまだ終わっていない可能性があることを考慮し、時間分散しながら買い増ししていくことが、長期の資産形成に寄与すると考えています。

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