原油相場は下落・石油株は上昇

 原油相場の下落が目立っています。以下のグラフのとおり、ウクライナ危機勃発(今年2月)前の水準を割り込んでいます。複数の下落要因が重なっているためです(後述)。

図:原油相場と関連個別株の推移(2022年2月24日を100)

出所:Investing.comのデータより筆者作成

 一方、INPEX(1605)シェブロン(CVX)は、ウクライナ危機勃発前の水準を割っておらず、むしろ足元、反発色を強めています。ダウ工業株30種平均などの米国の主要株価指数が反発し、個別株も物色されやすくなっていると、考えられます。

 また、ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイは、今年3月から、上記の二つの石油株よりも上昇率が高いオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)を、買い続けています(オキシデンタル社の開示資料より)。

 今、「株価上昇=それを保有している人の資産が増加」、「原油相場下落=物価高(インフレ)が沈静化」が、同時進行しているわけです。本レポートでは、原油相場が下落している背景、主要産油国の状況、今後の展開について、筆者の考えを述べます。