今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週、以降は、4-6月期企業決算が本格するため、結果次第で上下動する場面が続くことになります。

 全体的には、マクロ経済の悪化に加えて、FRBの流動性引き締めが打撃となり、各社見通しの引き下げが予想され、ポジション調整の手じまいが上値を圧迫することになりそうです。

 ジョー・バイデン大統領は中東訪問を終えましたが、原油産油国から増産の確約を取り付けていなかった場合、エネルギー価格は高止まり、インフレ収束に時間がかかり、FRBは利上げの打ち止めのメドがたたないことになります。

先週の動き

 先週は、企業の4-6月期決算が始まり、13日(水)は、米6月消費者物価指数などのインフレが注目となり、インフレ率が低下すると月末の26~27日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げが小幅になっていく可能性があるとしました。

 結果的には逆となり、米6月消費者物価指数は40年ぶりの伸びとなり、インフレ高進懸念が高まり、FRBの積極的利上げ観測も高まり、ドル高・円安となって、NYダウは5日続落となりました。

 26~27日のFOMCで0.75%どころか1%の利上げの見通しも出てきました。ところが週末15日(金)の予想では、7月のFOMCでの1%の大幅利上げ見通しが後退したことや強い経済指標を受けて+658ドルの3万1,288ドルと高値引けとなりました。

今週の指標:ドル/円

 米国経済の減速懸念は根強く、欧州のエネルギー供給不安や中国のコロナ感染再拡大などで世界経済の先行きは不透明ですが、日米金利差に着目した為替取引が、すぐに縮小する可能性は低いとみられています。

 ドル買い・円売りは継続しそうです。日銀は大規模な金融緩和を継続する方針ですので、円売り安心感がドルをはじめ主要通貨を押し上げる展開となりそうです。

先週の動き

 先週の予測では、米国の景気後退懸念で利益確定のドル売りの場合もありそうだが、日米金利差に着目した取引でドル買い・円売りは続くとしました。

 7月13日(水)の米6月消費者物価指数が市場予想を上回ればインフレ高進による米経済成長の鈍化が懸念されるとしました。

 結果的に13日の米6月消費者物価指数は市場予想を大きく上回る40年ぶりの伸びとなり、FRBの積極的な利上げが継続することになりました。14日(木)には、一時139.38円までドルが買われましたが、週末はやや利食い売りに押され138.53円でした。