下期入りした日米市場の物色動向に変化の兆し?

 今週初の日本株式市場では、10日に投開票された参議院選挙で自民党が大勝し政権運営がしやすくなるとの期待で日経平均株価は上昇しました。岸田文雄政権の長期化が濃厚となったことで、日本の政治的な安定性に期待する海外(外国人)投資家の評価は相場を下支えしそうです。

 ただ、米国を中心とするインフレ高進、金融引き締め継続、景気後退への警戒感は根強く、米国株下落に押されて翌日には反落を余儀なくされました。

 一方、7月(2022年下期)入りし、日米のスタイル別株価指数に変化の兆しもみられます。

 図表1は、米国市場と日本市場のグロース株指数とバリュー株指数の騰落率を、「2022年初来」、「2022年上期(1-6月)」、「2022年下期(7月初来)」で比較したものです。

 米国市場も日本市場も「2022年上期」はグロース株の劣勢(バリュー株の優勢)が目立ちましたが、「2022年下期」は(いまだ期間は短いものの)、グロース株に相対的な持ち直しがみてとれます。

 いまだ予断を許しませんが、米国市場では景気が減速傾向をたどっていることと商品市況のピークアウト感で期待インフレ率が低下傾向となっており、債券市場金利が上昇一服となっています。依然として不安定な相場環境の中で、ナスダック総合指数を中心とするグロース株(成長株)が底入れの兆しをみせ始めた動きに注目したいと思います。

<図表1日米市場でグロース株に持ち直しの兆し

*「2022年下期」=2022年7月初来
(出所)Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2022年7月13日)