2024年7-9月期に120%増収、海外売り上げが約5倍に急拡大

現地コード 銘柄名
09992

泡泡瑪特国際集団

(ポップマート)

株価 情報種類

63.45HKD
(10/23現在)

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 中国のデザイナーズトイ最大手、ポップマートが発表した最新業務指標によれば、2024年7-9月期の売上高は前年同期比120-125%増と、上期の62%増から一段と加速した。地域別では中国本土で55-60%増収。海外(域外)では440-445%の大幅増収。本土では小売店舗、ロボショップ、オンラインなど全販路で売れ行きが拡大し、うち「Pop Draw」(箱入りカプセルトイのオンラインガチャ)、その他オンラインプラットフォームで各55-60%、135-140%の大幅増収を記録した。運営の最適化と新製品の投入が急成長を支えたという。BOCIは海外進出の成功により、2024年通期には売り上げ全体の39%を海外が占めると予想。株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。

 7-9月期の業務指標は極めて好調であり、ほぼ全セグメントで成長ペースが加速した。本土市場での売上高は前年同期比55-60%増だったが、これをけん引したのはオンライン販売。プラットフォーム別では、中国版TikTokの「抖音」上での売上高が115-120%増。「Pop Draw」、アリババ集団(09988)の「天猫」ではそれぞれ55-60%増、135-140%増と、いずれも上期の7%増、28%増から急加速した。BOCIはオンラインチャネル上での販売好調が10-12月期も続くと予想。独身の日(11月11日)に由来する一大ECセール「ダブルイレブン」の販売成績に関しても楽観見通しを示している。

 一方、オフラインの小売店舗の売上高はきめ細やかな店舗管理と新製品(LABUBU Lazy YogaシリーズやHIRONO Shelterシリーズ)の寄与で前年同期比30-35%増、国内のロボショップでの売上高は20-25%増(上期は16%増)。このほか、国内の卸売売上高も40-50%の伸びだった。

 海外売上高は7-9月期に前年同期比440-445%の大幅増。ジャカルタやバンコク、サンフランシスコ、パリでの新規出店が成功し、四半期の成長率としては過去最大を記録した。現地のカルチャーを取り入れた限定商品を導入するなど、地域密着型の店舗運営やIP(知的財産権)の運用が海外店舗の成功を後押ししたという。BOCIは2024年通期の海外売上高について前年比300%超の急増を見込み、売り上げ全体に占める割合は39%に上ると予想。こうした海外での人気が、国内でのブランド人気にさらに火をつける可能性があるとしている。

 7-9月期の業務指標の好調を受け、BOCIは2024-26年の予想コア純利益を10%、16%、18%増額修正。2025年予想PER(株価収益率)24倍を当てはめ、目標株価を引き上げた(2024年予想PER30倍から変更)。2024年予想PERでは37倍に相当する。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、競争激化と消費者の嗜好(しこう)の変化、ブランドエクイティの劣化、人気IPの確保の失敗、規制面の不確実性、海外事業の不確実性、商品インフレなどの可能性を挙げている。