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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「円安の終わりの始まりか? 今夜の米雇用統計で大波乱も」

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは153.25

下値メドは151.45 

中国AI: IT関連のスタートアップ企業が育たないのは中国政府の「規制の厳しさ」が理由
FRBと米大統領選:パウエル議長「金利決定において政治は考慮しない」  
米利下げ:FRBが嫌うのは「利下げしてそれをすぐ取り消す(利上げする)こと」
米利下げ:利下げの理由は、「引締め水準の相対的調整」  
ラテンアメリカ通貨:2015年以来の大幅安。今年の上昇分全て打ち消す。キャリー復活には時間

前日の市況

 10月31日(木曜)のドル/円相場の終値は153.40円。前日終値比1.40円の「円高」だった。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 2024年219営業日目は153.32円からスタートした。日銀がこの日の金融政策決定会合で政策金利を据え置くことは市場のコンセンサスだったが、今後しばらく日銀は政策変更に対して慎重なままとの予想から結果発表前にドル/円を買い増す動きがあり、東京時間昼前に前日の高値(153.49 円)を超えて、153.63円まで上昇した。しかし、結局これがこの日の高値となった。

 日銀は31日の金融政策決定会合で、2会合連続で政策金利を0.25%で据え置くことを決定した。決定は9人の政策委員の全会一致。しかし日銀の植田総裁は「経済・物価が見通しに沿って推移していれば金利を引き上げる」考えを示したことで、日銀の年内利上げ観測が浮上した。これが引き金となってドル/円は一時152円を割れた。

 海外市場では反発する場面もあったが、153.00円近辺で押し返されると、明け方には再び152円を割り、151.83円まで下落してこの日の安値をつけた。24時間のレンジ幅は1.79円。

出所:楽天証券作成

 FRB(米連邦準備制度理事会)が「金利は景気抑制水準まで高くなった」と考えているならば、米国景気見通しがこれほど強いのはどうしてなのか。あるいは、FRBとしては充分に利上げしたつもりだったが、中立金利が以前より上昇したために、以前考えていたほど引き締め状態になっていない可能性もある。いずれにしても、米国景気がまだ過熱状態にあるのならば、利下げよりも「利上げするべきだ」という議論になってくるだろう。

 米国経済の好調の背景は、個人消費の強さだ。ドジャースとヤンキースのワールドシリーズのチケットは一枚20万円してもスタジアムは満員だった。雇用の安定や求人の多さなどが、将来の生活に対する不安をやわらげ、貯蓄よりも支出を増やすという行動となって表れているのだ。

 しかし、実際は支出が前倒しされているだけのことだ。2025年には、その反動で急速な消費の落ち込みが発生するリスクがある。来年第1四半期には、雇用市場の就業者数がマイナスになる可能性が高いといわれている。積極的な消費行動は今年が最後かもしれない。

 今夜の雇用統計の詳しい解説は「雇用者急減、景気不安再燃、FRB利下げで円高」リスクを忘れていませんか?10月米雇用統計 詳細レポート」をお読みください。

週末から来週前半のドル/円 サポートとレジスタンス

レジスタンス:
155.22円    07/30 H
153.90円    07/31 H
153.87円    10/28 H
153.86円    10/29 H
153.63円    10/31 H

サポート:
151.83円    10/31 L
151.46円    10/25 L
150.97円    10/23 L
150.49円    10/22 L
149.09円    10/21 L

ドル/円短期:(高値+安値)x 1/2 =148.41円

出所:楽天証券作成

 10月1日から31日までのドル/円のレンジは、142.95円から153.87円。
 レンジ幅は、10.92円。
 高値と安値の50%(中間点)は、148.41円。現在のレートは中間点よりも「円安」  に位置する。
 高値と中間点の50%は、151.14円。::現在のレートはこの水準よりも「円安」。

2024年 主要指標

出所:楽天証券作成