5月雇用統計のレビュー

 BLSが6月3日に発表した5月の雇用統計では、NFPは、事前予想の31.0万人増を上回る、39.0万人の増加となりました。前月分は42.8万人から43.6万人に上方修正。

 雇用の伸びは広範囲に及び、特にレジャー・サービス業、製造業、運輸、倉庫業が好調でしたが、小売業は減りました。失業率は3.6%で横ばい、平均労働賃金は、前月比+0.3%で、1年前に比べて+5.2%上昇しました。

 全体として、前回5月は「良い結果」となりました。FRBの金融引き締め政策の中でも、雇用は堅調を維持した一方で、平均労働賃金は事前予想(0.4%増)を下回る0.3%増にとどまり、インフレ率の上昇要因とされる労働コストの上昇は抑制されたからです。

 これ以上の大幅な利上げは必要ないとマーケットは一瞬安心したのですが、その2週間後のFOMCで、0.75ポイントの利上げを決定したことは説明した通りです。