先週の結果

先週は、各国の利上げを嫌気し、世界株安へ

 先週の予測では、14~15日のFOMCを受けた米国株式の動向をみながら、下値確認の動きとなりそうだとしました。それは前週末にECB(欧州中央銀行)の利上げ方針を受け、米株式が大きく下落し、6月10日(金)の日経平均は▲422円の2万7,824円となり「幻のSQ」となったことで、上値のフシができてしまいました。特別な悪材料がなければ2万7,000円水準で値固めも想定できましたが、そうはなりませんでした。

 先週は、欧米諸国はインフレ抑制にシフトする利上げラッシュとなりました。特に久しぶりに利上げを行ったスイスの動きに各国が注目となりました。FRBは6月14~15日の0.5%の利上げ予定を0.75%にするとの見方から13日(月)の日経平均は▲836円の2万6,987円と2週間ぶりに2万7,000円を割り込みました。

 さらにFOMCでの0.75%が具体的な見方となって13日(月)のNYダウが▲876ドルの下げとなり、日経平均もつれて14日(火)は一時▲629円の2万6,357円まで下げ、終値では▲357円の2万6,629円でした。

 15日(水)も▲303円の2万6,326円と大幅な4日続落となりました。

 16日(木)は、FRBがFOMCで0.75%の利上げを実施したことで、目先材料出尽くしとの見方からNYダウは+303ドルの3万668ドルとなったことで、日経平均も16日(木)の前場は+367円の2万6,694円と反発しましたが、後場になると翌日の日銀金融政策決定会合の黒田東彦総裁の記者会見の内容を見極めたいとのムードとなって上昇幅を徐々に縮小し、+105円の2万6,431円で引けました。

 この日の引け後の米国では、前日のFOMCで0.75%の利上げが景気を悪化させることが意識され、スイスや英国でも利上げの実施、この日の経済指標の悪化を受け、NYダウは▲741ドルの2万9,927ドルと2021年1月以来の3万ドル割れとなり、今年の最安値となりました。

 スイスの久しぶりの利上げショックに欧米株の下げがきつく、その影響を受けて日経平均も下値を切ってきました。一目均衡表の「雲」の下限を完全に下ブレしたことが投資家を不安にさせているということです。

 週末17日(金)の日経平均は、前日の欧米株式の下落を受け、▲443円の2万5,988円で始まり、一時▲710円の2万5,720円まで下落し、一時▲358円の2万6,072円まで戻すものの、戻りは限定的で終値は▲468円の2万5,963円と5月12日(2万5,748円)以来の2万6,000円割れとなりました。

 週末17日(金)の米国市場は、前日3万ドル割れとなったNYダウは景気後退懸念が根強い中、朝方は反発するものの終値では▲38ドルの2万9,888ドルと小幅続落となりました。

 一方、ハイテク株中心のナスダックは+152Pの1万798P、S&P500は+8Pの3,674Pと反発しました。17日はオプション取引など四つの取引期限満了日が重なり、取引は活発化しましたが、20日(月)は祝日で休場となるため、方向感に欠ける展開となりました。

 為替は再び1ドル=135円前後の円安へ戻っており、シカゴの日経先物は+150円の2万5,930円でした。