今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長が上下両院で経済情報や金融政策を巡る半年に一度の証言が注目となります。

 議長は高インフレ対処の遅れに対する批判や大幅な利上げ決定に至った説明をすることになります。長期インフレ期待が上昇した場合、積極的な行動は正当化されると考えられます。

 結果的にエネルギー価格の上昇が続く限り利上げが続くことになります。

 現時点で7月も0.75%、9月、11月には0.5%の利上げ実施。年末までに政策金利を3.0~3.5%にする見込み。株式相場は景気後退入りの85%を織り込んだといわれているので、さらなる大きな下落はないと思われます。

先週の動き

 相場の底入れ感がまだないので、FOMCが注目になるとしました。5月20日の今年の安値3万635ドルを試すことを想定しました。

 結果的にNYダウは下げ止まらず、FOMCでは想定の0.5%の利上げが0.75%となったことで下げが拡大し、6月16日(木)には、FOMCでの0.75%の利上げに加え、スイス、英国の利上げ実施。この日の米国経済指標の悪化でNYダウは▲741ドルの2万9,927ドルと2021年1月以来の3万ドル割れとなりました。週末17日(金)も▲38ドルの2万9,888ドルと続落でした。

今週の指標:ドル/円

 主要中央銀行による金融引き締めの加速を背景に世界経済の大幅な減速が警戒されています。欧米諸国の株式が一段安となれば、リスク回避の円買いが強まる可能性がありますが、一方で日米金利差が拡大することになるため、安全資産としてのドル買いが、直ちに縮小することはなくドルは底堅い値動きとみられます。

先週の動き

 先週の予測では、FOMCでの0.5%はすでに織り込み済みながら、FRBはインフレ抑制の強い方向は変わらず、日米金利差拡大からのドル買い・円売りは変わらないとし、2002年1月につけた135.15円が視野に入ったとしました。

 結果的にFOMCでは0.75%の利上げとなったことで、15日には1ドル=135.59円とドルの高値更新となりました。その後、16日には欧米が軒並みの利上げからドルは相対的に131.48円まで売られるものの、すぐに買い戻され週末17日(金)は135.34円まで買われ引け値は134.88円でした。