今週の予想
2万5,700~2万7,000円のレンジの中で2万6,000円での値固めできるか
今週は、米国市場の3連休明けの反発の可能性があり、それに連動して反発する可能性は高いものの、戻りは限定的と思われます。16日(木)にダウ工業株30種平均は3万ドルを割り込んで終わり、いったんの反発が期待できましたが、17日(金)はナスダック総合指数、S&P500種指数は反発したものの、NYダウは▲38ドルの2万9,888ドルと続落しました。
この下げは17日がメジャーSQ(特別清算指数)であり、この下げはSQが絡んだ可能性があり、3連休明けの21日(火)以降、米株式は反発してくる可能性があります。そうはなっても大きく崩れたあとだけに当面は戻り相場となります。
現状のような、「世界同時株安」の中で日本株は割安株になってはいても当面、様子見となってもおかしくありません。基調が好転するのを確認するまでは慎重な対応が必要です。
日経平均株価の日足チャートをみると2万7,000円前後に25日移動平均線、75日移動平均線があり、二つの移動平均線を大きく割り込んでおり、当面は2万7,000円前後が上値のフシとなりそうです。
下値では5月12日の安値2万5,688円が意識されます。最悪は3月9日の今年の安値2万4,681円となります。今週は2万5,700~2万6,700円のレンジの中で2万6,000円での値固めができるかどうかとなります。
今週の指標:日経平均株価
急落からの戻りを試す局面となりそうですが、上値では戻り売りが出てくることになります。レンジは2万5,700~2万7,000円の中の動きで2万6,000円台での値固めが焦点となりそうです。
先週の動き
先週の日経平均は、前週末比1,861円安(▲6.69%)の2万5,963円と5週ぶりの急反落となりました。
前週末の米株式の急落を受け、リスク回避の売り優勢となり、FOMC(米連邦公開市場委員会)では0.75%の利上げ、スイスと英国の利上げ発表を受け、欧州株中心に世界株安となりました。NYダウは1年半ぶりに3万ドルを割り、日経平均も2万6,000円を割ってきました。
今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)
今週は、FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長が上下両院で経済情報や金融政策を巡る半年に一度の証言が注目となります。
議長は高インフレ対処の遅れに対する批判や大幅な利上げ決定に至った説明をすることになります。長期インフレ期待が上昇した場合、積極的な行動は正当化されると考えられます。
結果的にエネルギー価格の上昇が続く限り利上げが続くことになります。
現時点で7月も0.75%、9月、11月には0.5%の利上げ実施。年末までに政策金利を3.0~3.5%にする見込み。株式相場は景気後退入りの85%を織り込んだといわれているので、さらなる大きな下落はないと思われます。
先週の動き
相場の底入れ感がまだないので、FOMCが注目になるとしました。5月20日の今年の安値3万635ドルを試すことを想定しました。
結果的にNYダウは下げ止まらず、FOMCでは想定の0.5%の利上げが0.75%となったことで下げが拡大し、6月16日(木)には、FOMCでの0.75%の利上げに加え、スイス、英国の利上げ実施。この日の米国経済指標の悪化でNYダウは▲741ドルの2万9,927ドルと2021年1月以来の3万ドル割れとなりました。週末17日(金)も▲38ドルの2万9,888ドルと続落でした。
今週の指標:ドル/円
主要中央銀行による金融引き締めの加速を背景に世界経済の大幅な減速が警戒されています。欧米諸国の株式が一段安となれば、リスク回避の円買いが強まる可能性がありますが、一方で日米金利差が拡大することになるため、安全資産としてのドル買いが、直ちに縮小することはなくドルは底堅い値動きとみられます。
先週の動き
先週の予測では、FOMCでの0.5%はすでに織り込み済みながら、FRBはインフレ抑制の強い方向は変わらず、日米金利差拡大からのドル買い・円売りは変わらないとし、2002年1月につけた135.15円が視野に入ったとしました。
結果的にFOMCでは0.75%の利上げとなったことで、15日には1ドル=135.59円とドルの高値更新となりました。その後、16日には欧米が軒並みの利上げからドルは相対的に131.48円まで売られるものの、すぐに買い戻され週末17日(金)は135.34円まで買われ引け値は134.88円でした。
先週の結果
先週は、各国の利上げを嫌気し、世界株安へ
先週の予測では、14~15日のFOMCを受けた米国株式の動向をみながら、下値確認の動きとなりそうだとしました。それは前週末にECB(欧州中央銀行)の利上げ方針を受け、米株式が大きく下落し、6月10日(金)の日経平均は▲422円の2万7,824円となり「幻のSQ」となったことで、上値のフシができてしまいました。特別な悪材料がなければ2万7,000円水準で値固めも想定できましたが、そうはなりませんでした。
先週は、欧米諸国はインフレ抑制にシフトする利上げラッシュとなりました。特に久しぶりに利上げを行ったスイスの動きに各国が注目となりました。FRBは6月14~15日の0.5%の利上げ予定を0.75%にするとの見方から13日(月)の日経平均は▲836円の2万6,987円と2週間ぶりに2万7,000円を割り込みました。
さらにFOMCでの0.75%が具体的な見方となって13日(月)のNYダウが▲876ドルの下げとなり、日経平均もつれて14日(火)は一時▲629円の2万6,357円まで下げ、終値では▲357円の2万6,629円でした。
15日(水)も▲303円の2万6,326円と大幅な4日続落となりました。
16日(木)は、FRBがFOMCで0.75%の利上げを実施したことで、目先材料出尽くしとの見方からNYダウは+303ドルの3万668ドルとなったことで、日経平均も16日(木)の前場は+367円の2万6,694円と反発しましたが、後場になると翌日の日銀金融政策決定会合の黒田東彦総裁の記者会見の内容を見極めたいとのムードとなって上昇幅を徐々に縮小し、+105円の2万6,431円で引けました。
この日の引け後の米国では、前日のFOMCで0.75%の利上げが景気を悪化させることが意識され、スイスや英国でも利上げの実施、この日の経済指標の悪化を受け、NYダウは▲741ドルの2万9,927ドルと2021年1月以来の3万ドル割れとなり、今年の最安値となりました。
スイスの久しぶりの利上げショックに欧米株の下げがきつく、その影響を受けて日経平均も下値を切ってきました。一目均衡表の「雲」の下限を完全に下ブレしたことが投資家を不安にさせているということです。
週末17日(金)の日経平均は、前日の欧米株式の下落を受け、▲443円の2万5,988円で始まり、一時▲710円の2万5,720円まで下落し、一時▲358円の2万6,072円まで戻すものの、戻りは限定的で終値は▲468円の2万5,963円と5月12日(2万5,748円)以来の2万6,000円割れとなりました。
週末17日(金)の米国市場は、前日3万ドル割れとなったNYダウは景気後退懸念が根強い中、朝方は反発するものの終値では▲38ドルの2万9,888ドルと小幅続落となりました。
一方、ハイテク株中心のナスダックは+152Pの1万798P、S&P500は+8Pの3,674Pと反発しました。17日はオプション取引など四つの取引期限満了日が重なり、取引は活発化しましたが、20日(月)は祝日で休場となるため、方向感に欠ける展開となりました。
為替は再び1ドル=135円前後の円安へ戻っており、シカゴの日経先物は+150円の2万5,930円でした。
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