先週の結果

先週は、SQに向かって需給関係から3月25日の2万8,338円を更新し、ここをピークに大幅下落

 先週の予測では、2万7,000~2万8,000円のレンジを想定し、週足での52週線(2万8,020円近辺)をぬくことができれば、今年の3月25日の高値2万8,338円を試すことになるとしました。

 結果的に、週始めからの3日間で、為替が6月7日(火)には20年2カ月ぶりの1ドル=133円台となったことで、日経平均は一時2万8,000円台を回復し、8日(水)には3月30日以来の2カ月ぶりの+290円の2万8,234円と2万8,000円台となりました。

 この時点では、この状況はメジャーSQを控えてオプションの権利行使を切り上げ、上にある2万8,375円の権利行使価格があるので、3月25日の高値2万8,338円を試すことになるとしました。

 そして、この水準までくると当面の天井となる可能性も指摘しました。9日(木)になると、前日の米国株式は3指標そろって反落となったことで、売り先行となるものの、押し目を拾う動きから上げに転じ、後場になると一時+155円の2万8,389円と3月25日の2万8,338円を更新しました。

 しかし、ここで目標達成感が出て上げ幅を縮小し、終値は+12円の2万8,246円でした。この動きは上昇ピッチが早かったことで、短期的な調整の可能性が示唆されました。

 10日(金)は、前日の米国株式が翌日の5月CPIの発表を控え様子見となり、さらにECBが7月から利上げを示唆したことで、米10年債利回りが3.07%まで上昇したことを嫌気し、NYダウの▲638ドルをはじめ3指標そろって大幅下落となったことで、日経平均は▲422円の2万7,824円と急落しました。

 この日の6月オプションSQが2万8,122円でしたので、日経平均がSQ値にタッチしないという「幻のSQ」となりました。これでSQ値の2万8,122円から3月25日の高値2万8,338円までのゾーンは大きなフシ目となってしまいました。

 10日(金)の米国市場は、注目の5月CPIが予想を上回り、利上げ加速懸念からNYダウは▲880ドルの急落となりました。

 5月CPIは前年同月比+8.6%(市場予想+8.3%)と約40年ぶりの強い伸びとなり、6月ミシガン大学消費者信頼感指数が過去最低となり、インフレのピークアウトへの期待感が大きく後退し、NYダウは急落となりました。ハイテク株中心のナスダック総合指数やS&P500種指数も大幅続落でした。

 FRBは6月、7月のFOMCで通常の倍となる0.5%の大幅利上げを検討していますが「さらなる行動を迫られる」といわれています。長期金利も一時3.1%を超えました。シカゴの日経先物は▲525円の2万7,325円で引けました。