ウクライナ危機が長期化すれば食糧危機も長期化

 以前の「金(ゴールド)に「100年越し」の長期上昇要因発生!?」で述べたとおり、ロシアがウクライナに侵攻した動機に以下の2つが含まれているのであれば、ウクライナ危機は長期化する可能性があります。

・「脱炭素」を急速に進めて化石燃料を痛烈に批判し続けた西側に対し、インフレを長期化させて経済的なダメージを与え続けること
・資本主義を破壊するすべについて触れた、およそ100年前のロシア革命の指導者ウラジーミル・レーニンの言葉を体現すること

 ウクライナ危機の長期化は、「食糧危機」が長期化することを意味します。この場合、先述の「食糧危機」がもたらす4つの影響の最後で述べた、「穀物メジャー株など関連商品上昇」も、長期化する可能性があると、筆者は考えています。(短期的な急騰ではなく、長期視点の上値切り上げ)

[参考]食糧関連の具体的な銘柄

 以下は、肥料や種子などに関わる企業(一例)の株価の推移です。ウクライナ侵攻を機に、騰勢を強めていることが分かります。

 主要国からの供給量が減少することを見越し、食糧生産の根幹を担う、肥料や種子を事前に確保しようとする動きが出始めている(今後そういった動きが強まる観測が浮上している)ことを示唆していると、筆者はみています。

図:肥料、種子などに関わる企業(一例)の株価

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 また、以下のとおり、食糧関連の企業や関連する金融商品の例を示します。

ETF WisdomTree 穀物上場投信(1688 東証)
サカタのタネ(1377 東証P)
カネコ種苗(1376 東証S)
丸紅(8002 東証P)
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)
ブンゲ(BG)
インベスコDBアグリカルチャー・ファンド(DBA)
トウモロコシ・小麦(海外商品先物)
トウモロコシ(国内商品先物)