米国高配当株3:クロノス・ワールドワイド(KRO)

 酸化チタンの製造・販売会社で、約100カ国、4,000社以上の顧客に酸化チタンの販売を行っています。酸化チタンメーカーとしては欧州最大であり、「KRONOS®」ブランドの下、40 種類以上の酸化チタン顔料を含む幅広い製品ポートフォリオを顧客に提供しています。

 時価総額は18億3,700万ドルで、日本円で約2,400億円となっています(USD=130円換算)。

事業の注目ポイント

 事業は「酸化チタン運営事業(TiO2 operations)」の単一事業となります。

「酸化チタン運営事業」では酸化チタンを製造・販売し、それらを国内外の塗料、プラスチック、製紙メーカーなどの顧客に提供しています。酸化チタンはコーティング、プラスチック、紙、インク、食品、化粧品などさまざまな製品に利用されています。

競合他社

 競合他社として、パーソナルケア、在宅ケア、農薬、鉱業およびその他の用途および油田化学品の燃料添加物と原料として使用するための特殊化学品の開発・製造・ブレンディング・マーケティング・供給に従事する専門化学会社であるイノスペック(IOSP)、二酸化チタン顔料、特殊グレード二酸化チタン製品および高純度チタン化学物質、ジルコンを含むチタン製品の製造と販売を行うトロノックス・ホールディングス(TROX)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで回復していませんが、配当は3月に増配しています。

 コロナ発生以降、工場停止などにより酸化チタンの売上が落ち込み株価が下落しましたが、その後経済の正常化とともに株価は回復してきました。

 今年3月には、2019年以来となる増配を行っており、今後も経済回復に伴う株価上昇が期待されます。

業績動向

 2022年5月4日開示の四半期決算では、1株利益・売上高いずれも市場予想を上回りました。

 酸化チタンの販売価格の上昇、販売量の増加により売上高は拡大した一方で、原材料費やエネルギー費などの製造コスト上昇、ならびに対ユーロでの為替変動の影響で2022 年度第 1 四半期の営業利益は 、前年同月比で約500万ドル減少しました。今後は、直面するインフレにどのように対応していくかで業績は左右されそうです。

 次回2022年8月10日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 売上の約6割は米国外であげており、今後も為替の影響により業績が左右される可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:0.76ドル
配当利回り:4.77%
株価:15.91ドル(約2,100円)

 この銘柄、権利落ち日は6月上旬予定(権利実施は6月中旬予定)です。

 配当利回りは5月17日時点で4.77%、株価は15.91ドルでおよそ2,100円から購入できます(1USD=130円計算)。

 2019年からの最高値は18.27ドル、最安値は7.14ドルとなっています(終値ベース)。