米国高配当株4:プリンシパル・ファイナンシャル・グループ(PFG)

 企業や個人、機関投資家に資産運用や保険を含む幅広い金融商品とサービスを提供しています。特に、世界的な高齢化の進展にともない、退職金積立、退職金資産運用、退職金管理の各ソリューションに対する需要が高まっていることから、それらのサービスを中心に事業を展開しています。

 時価総額は177億ドルで、日本円で約2兆3,000億円となっています(USD=130円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は、「リタイアメント&インカムソリューション事業(Retirement and Income Solutions)」で、続いて「米国保険ソリューション事業(U.S. Insurance Solutions)」に、資産運用業を行う「プリンシパルグローバルインベスターズ(Principal Global Investors)」や「プリンシパルインターナショナル(Principal International)」と続いていきます。

「リタイアメント&インカムソリューション事業」では、信託およびカストディアンサービス、個人変額年金などを提供し、「米国保険ソリューション事業」では個人ならびに団体向けに傷害保険や生命保険などを提供し、「資産運用業」では中南米とアジアで個人顧客にリタイアメント・ソリューションを、機関投資家向けには資産運用サービスを提供しています。

競合他社

 競合他社として、主に保険、年金、福利厚生および資産管理サービスの提供を行う金融サービス会社であるメットライフ(MET)、会社を通じて、生命保険、年金、退職関連サービス、投資信託、投資運用など、さまざまな金融商品およびサービスを提供する金融ウェルネス会社であるプルデンシャル・ファイナンシャル(PRU)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値近辺で推移しています。また、配当は昨年増配しています。コロナの影響で一時的に株価は下落したものの、その後徐々に回復し、現在はコロナ発生前の水準を上回って推移しています。また、増配とともに自社株買いも行っており、そういった結果が株価回復の理由の一つのようです。

業績動向

 2022年4月28日開示の四半期決算では1株利益は市場予想を上回りましたが、売上高は市場予想を下回りました。

 売上こそ市場予想に届かなかったものの、1株利益・売上高ともに前年同期の水準を上回っています。主要事業である「リタイアメント&インカムソリューション事業」でも、退職年金基金運用において、加入者からの預金額が増えたことなどが、好調な業績につながりました。

 次回2022年7月28日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 アジアでは、中国、香港などで事業を行っており、魅力的なマーケットである半面、リスクを多く抱えた地域であり、それらの地域が今後業績への影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.56ドル
配当利回り:3.65%
株価:70.08ドル(約9,100円)

 この銘柄、権利落ち日は6月1日の予定(権利実施は6月24日)です。

 配当利回りは5月17日時点で3.65%、株価は70.08ドルでおよそ9,100円から購入できます(1USD=130円計算)。

 2019年からの最高値は78.95ドル、最安値は24.16ドルとなっています(終値ベース)。