米国高配当株5:アリコ(ALCO)
米国最大のかんきつ類生産企業の1つであり、それらを生産する土地の保全事業も行うアグリビジネス企業です。フロリダ州8郡に約8万3,000エーカーの土地と、フロリダ州全域に約9万エーカーの鉱区を所有しており、これらの土地を利用し2つの事業を展開しています。
時価総額は3億1,500万ドルで、日本円で約409億円となっています(USD=130円換算)。
事業の注目ポイント
事業の中心は「アリコシトラス事業(Alico Citrus)」で、続いて「土地管理&その他事業(Land Management and Other Operations)」となります。
「アリコシトラス事業」では自社所有の土地におけるかんきつ類の生産、栽培および販売、ならびに第三者のためのかんきつ類園の管理を行っており、「土地管理&その他事業」では放牧権、狩猟権、石油採掘権のリースなどを行っています。
競合他社
競合他社として、さまざまな地域の国々でローカルに、あるいはグローバルに栽培・調達された新鮮な果物と野菜を提供して、各国で小売、卸売り、フードサービスの各チャネルで流通・販売されるドール(DOLE)、商品取引、エタノール、および植物栄養素の分野で北米全域にて事業を行う、農業事業を営む多角的な企業であるアンダーソンズ(ANDE)などがあります。
株式の注目ポイント
株価は昨年の高値を上回って推移しており、配当は昨年増配を行っています。
コロナ発生後、マーケット下落の影響を受け株価は約3割下落しましたが、その後少しずつ株価は上昇し現在はコロナ発生前の水準まで株価は回復しています。オレンジなどの消費量が増えていることや、かんきつ類の収穫量が増えていることからマーケットが荒れている中でも業績は安定しており、株価は上昇しています。
業績動向
2022年5月9日開示の四半期決算では1株利益・売上ともに市場予想を下回りました。
年初にフロリダ州を襲った寒波の影響で、かんきつ類が収穫を迎える前に落果し、収穫量が前年同期で10.3%下落したことで業績予想を下回る結果となりました。しかし、一方でかんきつ類全体の生産量の減少に伴いかんきつ類価格が上昇していることで業績の急激な悪化を避けることもできています。今後は、収穫量が拡大することでの業績拡大が期待されます。
次回は2022年8月8日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。
注意点
自然が相手のため気候変動による業績への影響が大きく、その点は業績を読みづらい銘柄であることは注意が必要です。
株価動向、配当利回り紹介
配当:2ドル
配当利回り:4.80%
株価:41.59ドル(約5,400円)
この銘柄、権利落ち日は6月下旬予定(権利実施は7月上旬予定)です。
配当利回りは5月17日時点で4.80%、株価は41.59ドルでおよそ5,400円から購入できます(1USD=130円計算)。
2019年からの最高値は43.08ドル、最安値は23.01ドルとなっています(終値ベース)。
■著者・西崎努氏の新刊『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム刊)が大好評発売中です!
【要チェック】
楽天証券「トウシルの公式YouTubeチャンネル」では、本連載「やってはいけない資産形成」を筆者が解説する動画が視聴可能!
また、リーファス社の公式YouTubeチャンネル『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。