日経平均に再び下値トライのリスクも

 米インフレ&ウクライナ・ショックに加え、米中景気失速リスクも意識されるようになったことから、日経平均にはもう一度下値トライするリスクも出てきました。ここから、どのくらい下がる可能性があるでしょうか?私の考えを4月27日のレポートに書いていますので、そちらをご参照ください。

 結論だけ再掲します。

1】メインシナリオ世界景気はかなり減速するものの景気後退には至らない
 昨年来高値(3万670円)から2割程度の下落(2万4,500円前後への下げ)があり得る。ただし、それ以上は下げない。3月9日に一度2万4,717円まで下げているので、それで値幅調整は終わっている可能性もある。

【2】リスクシナリオ今年の後半から来年にかけて世界景気は後退期に入る
 昨年来高値から3割程度の下落(2万1,500円前後への下げ)があり得る。

 上記は、日経平均の過去10年弱の動きを参考に考えたものです。日経平均は以下の通り、これまで急落・急騰を繰り返しながら上昇してきました。

日経平均推移:2012年末~2022年4月末

出所:2012年末の値を100として指数化、QUICKより作成

 過去10年の間、日経平均は何度も急落しています。高値から安値まで20~30%くらいの下げが多いことがわかります。

【1】世界景気悪化を伴うと、下落率は3割に達することも
【2】世界景気の悪化を伴わないショック安は、20%くらいで済むことが多い

 世界景気の悪化に加え、世界的な金融危機が起こる、つまり、2008年のリーマンショックのようなことが起こると、さらに下げが大きくなります。ただし、現時点でそうなる可能性は極めて低いと私は考えています。

「割安な日本株がさらに割安になり良い買い場となる」見方を継続

 日本株は、平成時代の構造改革を経て、財務良好、収益基盤は堅固で、割安となっていると判断しています。割安な株がさらに売り込まれるリスクが出ているものの、そこは良い買い場となると判断しています。

 最後に著書のご紹介です。マンガで解説する投資入門書を4月18日に主婦の友社から出版しました。以下の動画にて、紹介しています。
書籍紹介「クボッチ先生のやさしい投資入門」

▼著者おすすめのバックナンバー

2022年4月27日:リーマンショック再来はあるのか?忍びよる危機にどう備える?