日経平均は強い下落トレンドが意識される

 そこで、目先の日経平均の相場の方向性についても考えてみます。

■(図2)日経平均(日足)とRSI (2022年4月28日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成)

 上の図2は、ここ何回かのレポートでも紹介してきた、日経平均の日足とRSI(相対力指数)の推移を示したものです。今回もポイントになるのは、株価とRSIが互いに異なる方向に向かう「逆行現象」です。

「逆行現象」については、見方によって、「トレンド転換型」(水色の矢印)と、「トレンド継続型」(緑色の矢印)に分かれます。

 例えば、直近の株価を見ると、4月12日から27日にかけて安値を更新していますが、その時のRSIは上値を切り上げていて、トレンド転換型の逆行現象となっており、実際に翌28日は株価が反発しています。

 また、チャートをさかのぼっても、12月3日から1月27日、そして3月9日と、安値を更新していく過程で、時折株価が反発している場面がありますが、いずれもRSIが下値を切り上げる逆行現象が出現していたことがわかります。

 一般的に、トレンドは上値と下値がともに切り上がり、もしくは切り下がりながら形成されていきます。つまり、先ほどの安値を更新してきた場面(12月3日から3月9日)を言い換えると、上値を切り下げてきた場面でもあるわけです。そして、ここに注目するのがトレンド継続型の逆行現象になります。

 実際に株価の上値を見ていくと、11月16日から1月5日、そして3月25日と、長期間にわたって戻り高値が切り下がっていますが、RSIは上値が切り上がる逆行現象となっており、先ほどのように、トレンド転換型の逆行現象が出現して株価が反発する場面もありましたが、その後に大きな下落を見せて安値を更新する動きとなり、結果として中期的に下落トレンドが続く格好となっています。

 特に、昨年9月14日からの日経平均の戻り高値はほぼ1本の直線で結ぶことができ、かなり強い下向きのトレンドが意識されていると言えます。

 そのため、足元でトレンド転換型の逆行現象が出現してはいるものの、中期的には下向きトレンドが強いため、株価の戻りが限定的にとどまる、もしくはその後の株価下落が大きくなる展開には注意が必要です。