アマゾンのネガティブ決算でナスダックが大幅下落

 まずは、2日(月)の日本株市場が先週末に大きく下落した米国株市場の流れをどう受け止めるかが注目されます。

■(図4)米NYダウ(日足)とMACD (2022年4月29日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成)

 先週末29日(金)のNYダウ終値は3万2,977ドルとなりました。

 前回のレポートでも指摘した通り、前週末に出現した株価の移動平均線「3本下抜け」の出現によって、下値を探る動きが中心となった印象です。

■(図5)米NASDAQ(日足)とMACD (2022年4月29日取引終了時点)

(出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成)

 そして、より状況が悪いのが米NASDAQです。先週末29日(金)の終値は直近安値(3月14日の1万2,555p)を下回ってしまいました。

 こうした米株市場の下落の背景にあるのは、米金融政策の引き締め加速に対する警戒や、企業決算を通じて高まってきた、国内外の景気減速懸念が挙げられます。

 特に、アップルとアマゾンの決算を受けた週末29日(金)の取引では前日比で940ドル近く下落しています。この日のアマゾン株価は前日比で14%安、アップル株価は4%安でした。

 アマゾンの決算(2022年1-3月期)は最終損益が7年ぶりの赤字、売上高も市場予想に届かなかったことがネガティブ材料となりました。

 また、アップルの決算(2022年1-3月期)は市場予想を上回る結果となり、内容こそ悪くなかったものの、ゼロコロナ政策を貫く中国の製造・供給が課題となる中で、4-6月期の業績落ち込み見込みを指摘したことが不安を高めました。

 この中国絡みの供給制約については、日本株でも要警戒と考えられます。先週27日(水)に決算を発表したキッコーマンは、業績見通しが開示されなかったことで大きく株価が下落しました。

 原材料価格の上昇や為替変動の大きさなどが理由とされていますが、同社は上海近郊に工場があるなど、中国の影響も少なからず受けている可能性があります。

 連休明けの5月9日週にピークを迎える国内の決算で、こうした供給制約が業績見通しの重しとなる企業が増えてしまうと、仮に米FOMC通過後にアク抜け感で上昇するような動きが出たとしても長続きしないことが考えられます。

 そのため、当面のあいだは株価の足取りが下方向の意識を強めながらフラフラと乱れる展開が続いてしまうかもしれません。