日経平均株価が2日間で6,600円を超える急落

 去る8月2日、日経平均株価が急落しました。前日に比べ終値ベースで2,216円63銭、率にして5.81%の記録的な下落となりました。東証プライム市場銘柄のうち実に99%の銘柄が値下がりするなど、文字通りの全面安となりました。

 そして8月5日も株価の下落が止まらず、日経平均株価は先週末に比べて4,451円28銭の下落と、下落幅は1987年のブラックマンデーを超えて過去最大、下落率も12.4%とブラックマンデーに次ぐ過去2番目の大きさとなり、まさに歴史に語り継がれる日となりました。

 8月5日の時点で、東証プライム銘柄のおよそ98%の個別銘柄が25日移動平均線を割り込んでおり、このような光景は久しく経験していません。おそらく2020年春のいわゆる「コロナ・ショック」以来ではないでしょうか。

 株価が急落すると、雑誌やネット、SNSといった媒体で、「バブルがいよいよ崩壊!早く売らないと大変なことになる」とか、「ここまで株価が大きく下がったのだから安く買う絶好の機会!」といったように、いろいろな人がさまざまなことを発信します。

 その結果、特に投資初心者の方は「いったいどうすればよいの?」と路頭に迷ってしまうのです。

筆者の行動は急落しようがしまいがいつも通り

 でも、株価が大きく下落したとき、「どうすればよいの?」とアタフタしているようでは株式投資で大きな失敗をしてしまいますし、厳しいことを申し上げますが、株価が大きく下がってから慌てても手遅れ、というのが正直なところです。

 ですから、株価が大きく下落したときどうするか?というルールや行動指針をあらかじめ株価が下落する前から決めておく必要があるのです。

 筆者の投資行動は、自身でルール設定をしていますから、株価が急落しようがしまいが変わることはありません。いつも通り、保有株の株価が25日移動平均線を割り込んだら売却する、というものです。

 今回の下落でも、日経平均株価が急落した8月2日より前に、多くの個別銘柄は25日移動平均線を割り込んでいたので、それらはすでに売却済みでした。その結果、致命的なダメージは避けることができたのです。

株価下落の初期段階で売却すれば大きな損失は避けられる

 株価が大きく下落するようなときは、特に個別銘柄であれば短期間に20%、30%、時には50%以上の急落をみせます。

 もし株を保有し続けていたとしたら、この下落をまともに食らうことになります。かなりの含み損を抱えてしまうでしょうし、精神的にも多額の含み損が生じるとかなりきついはずです。

 中には、これ以上損失が膨らむことに耐えることができず、安値で投げ売りしてしまう個人投資家もいることでしょう。

 でも、株価下落の初期段階で保有株を売却していれば、もちろん多少のダメージを受けることは避けられませんが、大きな損失を回避することは十分可能です。

 そして、「株価下落の初期段階」を示すものの一つが、25日移動平均線割れというものなのです。

 筆者がもともと7月上旬から中旬ごろにかけて保有していた個別銘柄の多くは、8月2日の時点では大きく25日移動平均線から下方に乖離(かいり)していました。マイナス乖離率が20%を超えるものも多々ありました。

 逆をいえば、25日移動平均線割れ直後に売却していれば、そこから20%、30%と下がったとしても、売却した後の下落についてはダメージを受けることがありません。

 その後、マーケットが落ち着いてから買い場を探していけばよいのです。

株価急落時は業績の良しあしに関係なく株価は下がる

 株価が急落したとき、ファンダメンタルをよりどころにして持ち株を保有継続したり、逆張りで買い向かう個人投資家も見受けられますが、これも時に大きな損失を引き起こします。

 株価というものはファンダメンタルに先んじて(変化を先読みして)動くものなので、確かに足元のファンダメンタルが良くても、今後急速に悪化が見込まれるのであれば、株価は大きく下がってしまいます。そしてその後、実際にファンダメンタルの悪化が明確になり、さらなる下落につながることも珍しくありません。

 また、ファンダメンタルが不変であったとしても、株価急落時は損失の穴埋めをしようと、まだ株価があまり下がっていない銘柄までも利食い売りにより大きく値を下げてしまいます。

 株価急落の最後は全面安となりますから、逆張りで買い向かったり、保有株を持ち続けるのであれば、時に大きな含み損を抱えてしまう恐れがあること、そしてその含み損が塩漬け株のまま長期間解消しなくなる恐れがあることを理解した上で実行するようにしてください。

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