歴史的な急落の翌日に歴史的な反発
8月2日、そして5日と歴史的な急落に見舞われた日本株。特に8月5日の日経平均株価は下げ幅が1987年のブラックマンデー時を超え過去最大、そして下落率もブラックマンデーに次ぐ12.4%と、株式投資の経験の長い筆者も久しぶりにびっくりする下げとなりました。
そして翌日6日になると、今後は急落後の反発が生じ、日経平均株価は過去最大の上昇率となりました。その後も7~9日と反発し、日経平均株価は6日の急落を取り返した格好となっています。
今回の株価急落で持ち株が大きく下落してヒヤリとした個人投資家の方も多かったと思いますが、一方で資金余力のある投資家としては、「買うべきか、しばらく様子見すべきか」という悩みが生じているのではないでしょうか。
そこで今回のコラムは「株価急落後に買うのか、様子見するのか」を筆者の経験も交えつつ考えていきたいと思います。
株価急落後しばらくは「余震」が続く
株価が急落をした後、しばらくは荒い値動きが続きます。実際に8月5日の週も、連日のように日経平均株価や日経平均先物の1日の値動きが1,000円を超えるなど、かなり大きく動いているように感じます。
株価の急落を大きな地震に例えると、大きな地震の後しばらく余震が続き、それがほとんどなくなったと思ったら、忘れた頃に再び余震が訪れる、というようなイメージです。
株価が落ち着きを見せるまでは、2~3カ月くらいはかかるかもしれないと思っていた方が無難でしょう。
実際、1987年のブラックマンデーによる急落時も、数日反発した後は再び大きく下落し、そこから少し反発したものの再度下落して安値を割り込むという動きでした。
株価急落から数日で戻ったとしても、再び株価が大きく下がる可能性が普段よりかなり高いと思っていた方がよいでしょう。
ボラティリティが高いとリスクも高くなる
株価の変動率のことを「ボラティリティ」と言いますが、ボラティリティが高いほど株式投資で損失を被るリスクが高くなります。
株価が急落した後は上記の通りしばらくの間株価が大きく動く傾向があるので、ボラティリティが高い状態が継続します。
ボラティリティが高いと、例えば次のようなことがよく生じます。
- 株を1株1,000円で購入
- 翌日株価が急落して900円になったので損切り
- 翌々日株価が急騰して980円になったので再度購入
- 次の日また株価が急落して900円となり損切り
というように、動けば動くほど損失が膨らみやすくなります。
では下手に損切りしなければよいのではないか、と思うかもしれませんが、損切りしなかった場合、さらに株価が大きく下落することにより、含み損が膨らんで塩漬け株になってしまう恐れも高いのです。
筆者なら様子見しつつ買い時を探る
リスクが高いということを必ずしも回避しないといけないわけではありません。「ハイリスク・ハイリターン」と呼ばれるように、リスクが高いことを受け入れて大きな利益を狙う選択肢もあります。
株価の変動が大きいということは、リスク覚悟で大きな利益を得られる可能性もあるともいえるからです。
ただ、筆者が株式投資を行う上で最も重視しているのは「リスクを冒してでも大きな利益を得ること」ではなく「大きな損失をできるだけ回避すること」です。
そのためには、ボラティリティが高いというリスクが相対的に高い状況では無理をせず、様子見に徹した方が安全だと思います。
その上で、株価が再度下落して二番底を形成するような状況になれば、直近の安値を割り込んだら撤退するという条件で、無理のない範囲で買い仕込んでみても良いかな、というのが現時点での筆者の考えです。
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