ウクライナ・米利上げ、残る不安

【1】ウクライナ停戦交渉でロシアが強硬姿勢を変えず、停戦が成立しないリスク

 ロシアが苦境にあり、停戦を求めざるを得ないとの前提のもとで、停戦交渉が進展する期待が出ています。一方でロシアには経済的な余力がかなりあるとの見方もあります。ロシアが経済危機に陥った1998年ころと比較すると、ロシア経済の底力はかなり強くなりました。2つの理由があります。1つは、当時より原油・ガスの生産量が大きく拡大した。もう1つは、地球温暖化の恩恵で、穀物生産が拡大、穀物の輸入国から輸出国に変わったことです。
 中国などが経済制裁に参加していないため、ロシアへの制裁が効果をそがれている可能性もあります。また、ロシア原油の禁輸に米国は踏み込みましたが、欧州は、ロシア産原油ガスの輸入を続ける可能性もあります。
 停戦実現に向けて交渉が本当に進展するか、今後の推移を見守る必要があります。

【2】0.5%の米上げが5月以降、何回も繰り返されるリスク

 そうなると、ふたたび、世界的に株の上値は重くなります。

日本株「買い場」の見方継続

 結論は毎回述べていることと同じです。日本株は割安で長期投資で良い買い場となっていると思います。過去2週間の急激な反発で、売り手は踏み上げにあっている可能性があります。今後、投機筋が積極的に日経平均の下値を叩いて売ってくる可能性は低下したと考えられます。

 ウクライナ情勢・米利上げに注意が必要ですが、時間分散しながら割安な日本株を買っていくことが、長期的な資産形成に寄与すると判断しています。

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