ロシアが停戦を求めざるを得なくなってきている可能性も

 世界的な株高の背景に、ウクライナでの停戦交渉が進展する期待があります。ウクライナ・ロシア双方の主張の隔たりが大きすぎて、停戦が実現するメドがないと見られていましたが、水面下で停戦に向けた歩み寄りが進み始めた可能性があります。

 その背景にあるのが、ロシア側も苦境に陥(おちい)っていて、停戦を求めざるを得なくなってきているとの見方です。ロシア側は首都キーウ(キエフ)を陥落させることを事実上断念し、親ロ派勢力が優勢な東部の制圧に戦略を転換しつつあると考えられます。

 3つの可能性が考えられています。

【1】ロシアへの経済制裁がロシア経済に大きなダメージを与えている。
【2】SNSを通じてウクライナでのロシア軍の非人道的行為が世界に拡散、世界中からロシアに非難が集中。ロシア国内からも反戦の声が出つつある。
【3】ウクライナ軍の戦意の高さに比べロシア軍の戦意は低く、物資補給にも困難が生じつつある可能性があります。