FRB、FOMCに振り回された一週間

 あらためて先週の日経平均の値動きを振り返ると、週初の24日(月)は上昇スタートとなりました。

 節目の2万7,000円付近で押し目買いが入ったと思われますが、「FRB(米連邦準備制度理事会)に逆らうな」という相場格言があるように、米国の金融政策正常化への警戒感を払拭(ふっしょく)することができず、次第に売りに押される場面が目立つようになりました。

 それでも何とか2万7,000円台で踏みとどまっていたものの、FOMC直後の27日(木)には、こうした「がんばり」を打ち砕くような急落となり、この日の安値(2万6,044円)が示したように、2万7,000円台どころか2万6,000円台割れ寸前まで下落する場面がありました。

 週末となる翌28日(金)は、前日の急落の反動もあって、さすがに550円ほど値を戻しています。また、前日(27日)とローソクチャートとの組み合わせは、いわゆる「はらみ足」となっています。はらみ足は株価の底打ちに現れやすいとされており、目先の株価反発の希望を残しています。

 このまま今週も株価の反発基調が続いた場合、2万7,000円や2万8,000円といった「キリの良い」株価水準や、25日・75日・200日移動平均線などが戻りの目安として意識されることになります。

■(図2)日経平均75日移動平均線乖離率ボリンジャーバンド(2022年1月28日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡのデータを元に筆者作成

 75日移動平均線に注目した場合、先週末28日(金)時点の移動平均線乖離(かいり)率は、マイナス7.29%となっており、マイナス2σ(シグマ)より下に位置しています。

 株価が戻りを試すのであれば、この日の75日移動平均線の値(2万8,665円)で計算すると、マイナス2σあたりで2万6,861円、マイナス1σで2万7,676円、ボリンジャーバンドの中心線(MA)で2万8,487円となります。これらの数値は日々変化していきますが、大体の目安になりそうです。

 また、日経平均に限らず、他の株価指数や個別銘柄の多くは、株価が移動平均線よりも大きく下抜けていますので、戻りの途中でぶつかる移動平均線を上抜けて、上昇に弾みをつけるのか、それとも抵抗(レジスタンス)となって、跳ね返されてしまうのかが、株式市場のあちこちで焦点になりそうです。

 ちなみに、先週末に見せた株価反発については、先ほども述べたように急落後の反動によるところが大きいのですが、27日(木)の米株市場の引け後に発表されたアップルの決算内容が好感されて、時間外取引で上昇していたことも追い風となったようです。