三角もちあいが継続中

 もう少し期間の長い日経平均チャートでみても、前回のレポートでも紹介したように、「三角もちあい」が継続中で、先週の下落局面でも、株価がもちあいの下限の線で踏みとどまっています。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2022年1月14日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 今週の日経平均が反発できれば、各移動平均線(25日・200日・75日)の上抜けと三角もちあいの上限の線を目指していく展開となります。

 反対に株価が下がって、もちあいを下放れしてしまった場合でも、昨年の日経平均の下値ゾーン(2万7,500円から2万8,000円あたり)の範囲内で下げ止まることができれば、株価の戻りを期待する買いは入れやすいと思われます。

日経平均のエンベロープ

 また、前回のレポートでは、日経平均(日足)の25日移動平均線エンベロープを紹介し、「株価の戻り基調が+3%あたりで跳ね返されることが多い」ことと、「跳ね返された場合、今度は▲3%あたりまで下落することも多い」ことの2点を紹介しました。

■(図3)日経平均(日足)のエンベロープ(25日移動平均線)(2022年1月14日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図3で先週のエンベロープの状況を見てみると、14日(金)の取引で株価がエンベロープの▲3%まで下落する場面があったことが分かります。

 とはいえ、「逆もまたしかり」で、上値がプラス3%で止まることが多いということは、下値も▲3%で跳ね返されることも多いと言えます。

 実際に、14日(金)のローソク足の下ヒゲが長くなっているほか、チャートを過去にさかのぼって▲3%まで下落した局面を見てみると、その後の株価が反発していることが多く、今回も株価が反発する可能性は高そうです。

 さらに、金融相場から業績相場へと移行するタイミングでもあり、グロース(成長)株からバリュー(割安)株へと物色対象が変化しつつあるほか、これから本格化する日米の企業決算の動向を見極めながら銘柄の選別が進むと思われます。

 今週は米国で、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった金融機関をはじめ、ネットフリックスやインテル、アルコアなどの決算発表が予定されていますが、来週以降に控える国内主要企業や、GAFAM銘柄の決算発表を前に、良好な決算シーズン入りが試されることになります。