決算シーズン到来も、米利上げとQTによる「波乱の芽」が潜む

■(図5)日経平均(月足)の線形回帰トレンドと米金融正常化の動き(2012年11月を起点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図5は日経平均(月足)の線形回帰トレンドです。いわゆる「アベノミクス相場」が始まったとされる2012年11月を起点として描いていますが、先ほどの米金融政策の正常化のスケジュールを重ね合わせたものです。

 現在の日経平均の株価位置は回帰トレンドの+1σ(シグマ)あたりに位置しています。現在の相場基調が続いて年末を迎えた場合、現時点での日経平均の年間想定レンジは+2σの3万2,000円台半ばから、▲2σの2万5,000円台ということになります。

 まずは、これから本格化する決算シーズンを受けて、株価が中心線から上を維持できるのかが試されることになるわけですが、前回の米金融政策の正常化において、利上げとQT開始後に日経平均が▲2σを目指して動いていたこともあり、相場の「波乱の芽」が潜んでいることは、一応、頭の片隅に置いておいた方が良いかもしれません。