株価が反発しても、上昇が続かない可能性あり

 さらに、チャートの期間をもう少し長めにとると、日経平均は引き続き、「三角もちあい」が意識されています。

■(図2)日経平均(日足)の動き その2(2022年1月7日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 三角もちあいについては、前回のレポートでも紹介し、一般的に株価の上げ下げを5回繰り返すと完成と見なされます。先週5日(水)につけた高値でもちあいの上限ラインにタッチし、昨年8月20日を起点とする回数がその5回に達し、これで一応は三角もちあいが完成したことになります。

 週末にかけての株価下落で、もちあいの下限の線に向かっているようにも見え、反発ではなく、このまま下落する展開となった場合には、もちあいの下限の線が2万8,000円あたりにあるため、下値の目安となりそうです。

 次に、日経平均の値動きを中長期的に見ていくと、先週の上値は「25日移動平均線乖離(かいり)率プラス3%の壁」に阻まれた格好になります。

■(図3)日経平均(日足)のエンベロープ(25日移動平均線)(2022年1月7日時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 ここ1年間の日経平均の値動きを振り返ると、上の図3を見ても分かるように、株価が底打ちして戻り基調をたどる際、25日移動平均線から+3%あたりがポイントになっています。

 スムーズに+3%を超えた場合は、そのままの勢いで+6%あたりまで上値を伸ばしていきやすいのですが、昨年は+3%あたりで上値が抑えられる展開の方が多く見られます。さらに、+3%で跳ね返された後、▲3%あたりまで下げるケースも珍しくありません。

 7日(金)時点の25日移動平均線は2万8,599円ですので、再び株価が上向きになった場合には、+3%が2万9,456円、株価が下がり続けた場合には、▲3%が2万7,741円となり、それぞれの目安として想定されそうです。

 そのため、目先では株価が反発する局面もありそうですが、株価の上昇が続かない可能性があり、短期的な取引に徹するのが良いかもしれません。