2022年の金と銀の予想レンジ

 年平均ベースの騰落状況を示した先程の図より、ここまでの2021年の金の上昇率(2020年比)は+1.2%、銀は22.1%と、ともに上昇しています。ここからは、「年平均ベースで価格上昇」、という方向性を軸に、2022年の金と銀の予想レンジを考えます。

 下図の右に記した通り、(1)年平均価格の方向性は上昇、(2)上昇率を元年(2020年)→2年目(2021年)の半分、(3)年平均価格を基準とした変動率を1.3倍程度にして、3年目(2022年)の、予想レンジを作りました。

図:2022年の予想レンジの立て方

出所:筆者作成

 以下は、世界の金(ゴールド)価格の指標の一つである、NYの金先物価格です。上記の方法に基づいた、2022年の予想レンジの上限は2,024ドル、下限は1,646ドルです。原稿執筆時点(12月20日午前)では、1,798ドル近辺です。

 年平均を基準にした変動率は、2年目(2021年)の1.3倍で計算しています。

図:NY金先物価格(中心限月) 単位:ドル/トロイオンス

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 また、以下は、世界の銀価格の指標の一つである、NYの銀先物価格です。2022年の予想レンジの上限は37ドル、下限21ドルです。原稿執筆時点(12月20日午前)では、22.3ドル近辺です。

 銀相場は、金(ゴールド)に比べて変動率が高い傾向があるため、年平均を基準にした変動率は、2年目(2021年)の1.6倍で計算しています。

図:NY銀先物価格(中心限月) 単位:ドル/トロイオンス

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成