注目の中国株2:舜宇光学科技(02382)

 民営の光学部品メーカーです。部門別売上高(2021年6月中間期、以下同様)では携帯端末向けのカメラモジュールや、自動車向け、ロボット向けの光学電子製品が全体の77%、それらのレンズセットが22%を占めています。

 光学電子部品の売上高が大きいのですが、部門別の営業利益をみると、前者が50%、後者が49%です。売上比率はわずかですが、顕微鏡用モジュールや、検品検査などに使われる工場用モジュールなども製造しています。

 売上高について用途別にまとめると、スマホ向けが80%、自動車向けが8%、その他が12%です。地域別では、中国が79%、アジア(中国以外)が15%、EUが3%、米国が2%、その他が1%です。

 2021年6月中間期業績は5%増収、54%増益となりました。スマホ向けが高級機種を中心に不調で、価格の大幅下落が響き、増収率は一桁にとどまりました。

 一方で、生産ラインの合理化、自動化などで生産効率が上がったこと、最大のコスト要素である研究開発費の伸びを24%、売上比で6.7%に抑えたことなどから大幅な増益となりました。

 スマホ業界ではカメラの質が差別化の最大のポイントとなっています。自動車では電動化、ネットワーク化、AI化、共有化が急速に進んでいて今後、光学製品の需要が大きく増えそうです。

 また、ロボットビジョンや、メタバース産業の勃興によりAR/VRなどの需要が大きく伸びるとみられ、同社製品への需要は今後大きく高まりそうです。

注目の中国株3:瑞声科技(02018)

 民営の電子部品メーカーです。売上構成(2021年1-9月期)をみると、スマホなどに使用されるスピーカー、マイク、バイブレーターといったダイナミック部品が49%、ゲームなどに使われる触覚技術(ハプティクス)、スマホの筐体といった電磁電動・精密構造部品が30%、スマホ用レンズなどの光学製品が15%、デジタルマイクロフォン、アンテナなどのMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)部品が6%です。

 2021年1-9月期業績は4%増収、47%増益、7-9月期は6%減収、57%減益となりました。

 7-9月期の業績悪化要因は新型コロナ禍の影響によりグローバルでサプライチェーンの一部が遮断されたことや、半導体不足による需要減少、コストアップなどです。

 これらの要因が全て解消されるには少し時間がかかりそうです。とはいえ、ファクトリーオートメーション、AR/VRシステム、自動運転システムなどを開発する企業への投資を積極的に進めるなど、業容拡大を続けており、長期的にはメタバース関連を始めとした成長分野への進出が高成長をけん引すると予想します。