NISA非課税期間終了でも、2021年内にあわてて無理に売却する必要はない

 前ページの例で、ここから株価が下がると踏んで2021年内に100万円で売却した後、2022年に株価が80万円に下がったときに、通常口座で買うことができたなら、値下がり分だけ安く買うことができます。

 逆に、2021年内に100万円で売却した後、2022年に株価が120万円まで上昇したときに再び買い直すことになれば、売却せずにそのまま保有し続けていた方が有利だったことになります。

 ただこれらは、売却時から再購入時までの株価の変動による影響です。

 実は2021年中に(1)2021年中の非課税期間内に売却すること、(2)何もしない(2022年以降は通常の口座へ移管)を比較して、税金面で有利・不利が生じるような差異はありません。

 したがって、「2021年で非課税期間が終わってしまうから」という理由であわててNISA口座の株を売ってしまう必要はないということです。

 ですから純粋に、「そろそろこの株は売っておこう」と思えば非課税期間の2021年内に売ればよいですし、「もう少し持ち続けて様子を見続けよう」と思うならば何も手続きしない、もしくはロールオーバーをすればよいのです。

ロールオーバーするのであれば早めの手続きを

 次回は、NISA口座で保有している株をロールオーバーするのか否か、その判断方法を、税金面の影響を含めて解説していく予定です。

 ただし、ロールオーバーするのであればケースによっては早めの手続きが必要となるので、その点についてだけは今回お伝えしておきます。

 もし楽天証券でNISA口座を開設し、その口座内に2017年に購入した株がある場合は、12月30日までロールオーバーの手続きができます。

 しかし、他の証券会社でNISA口座を開設しているが楽天証券のNISA口座を使ってロールオーバーしたい場合は、早々に動かないと間に合わない可能性があります。

楽天証券:ロールオーバー申込みの流れ(ケース別)

 また、証券会社によっては自社内でのNISA口座のロールオーバーであっても、申し込み期日が11月中になっているようなところもあります。

 したがって、ロールオーバーの手続き期限を確認し、余裕を持って早めの手続きをすることをおすすめします。