上方修正が想定以上に多ければ日経平均の上値トライにつながる可能性も
株価は、短期は材料で動きますが、長期的にはファンダメンタルズ(景気・企業業績)を反映して動きます。日経平均の動く方向を決定づけるのは、最後は企業業績です。その意味で、これから発表が本格化する9月中間決算はきわめて重要です。
ご参考まで、過去の企業業績と日経平均の騰落を比較した、以下の表をご覧ください。
東証一部3月期決算主要841社の連結純利益(前期比)と日経平均の騰落率:2016年3月期(実績)~2022年3月期(予想)
上記をご覧いただくとわかる通り、日経平均は企業業績のモメンタムに反応して動いています。期初予想(5月に出した会社予想)よりも、着地が上になる年度は日経平均が上昇、着地が下になる年度は日経平均が下落する傾向が鮮明です。
今年度(2022年3月期)は、期初予想よりも着地が上振れると楽天証券経済研究所では予想しています。ところが、10月26日の日経平均は、前年度末(3月31日)対比で0.2%のマイナスです。
今後利益の上方修正が増えれば日経平均は上昇していくのか、あるいは、世界景気の先行きに悲観が広がって上方修正でも「好材料出尽くし」となるのか、株価の反応をみきわめていきたいと思います。
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