株価が大きく上昇している株を買うこと自体は問題ない

 となると、すでに株価が大きく上昇している株を、今から買ってよいものかどうかという話になってきます。

 実は、株価が大きく上昇している株を買うこと自体は、特段問題ないと筆者は思っています。

 例えば成長株であれば、5年、10年かけて株価が何倍、何十倍にも上昇することは珍しくないですし、景気敏感株、直近でいえば海運株は1年半で株価が10倍以上になったものもあります。

 ですから、株価が底値から2倍になったくらいでは、そこから新規に買うことに対して特に躊躇(ちゅうちょ)はありません。

25日移動平均線からのかい離率に注目

 ただし、短期的に株価が急上昇している場合は、話が別です。

 例えば海運株は9月末にピークをつけ、そこから30~40%近く急落しましたが、株価のピーク時には、各社とも25日移動平均線からのかい離率が20~40%ほどに達していました。

 また先日もある石炭関連株が、短期間に大きく上昇したと思ったら突然急落し、高値を付けてから、わずか2日で株価が20%も値下がりしました。

 このように、25日移動平均線からのかい離率が大きくなっているときは、反動で株価が大きく調整することが多いので、安易に手を出さない方が無難です。

 筆者は、25日移動平均線からのかい離率が5%を超えている銘柄は原則として買わないようにしています。どんなに欲しい株であったとしても10%が限度です。もし、かい離率が大きいのであれば、小さくなるまで待ちます。

 株価が急上昇していると、「まだまだ上がる」とか「ここで買わないと乗り遅れる」とつい思ってしまいますが、株価が天井をつけて急落する時は、ある日突然訪れます。そして株価急落は25日移動平均線からのかい離率が大きくなればなるほど、起きる可能性が高まると考えておきましょう。