資源エネルギー関連株やアフターコロナ銘柄の上昇が目立つ

 日経平均株価は9月にバブル崩壊後の高値を付けた後は急速に失速、逆に今年2021年の最安値に迫るまで下落をしました。

 その後は多少の反発を見せていますが、個別銘柄を見るとまだまだ下降トレンドのものが目立ちます。

 そんな中、強い株価の動きを見せているのが、石油株、石炭株といった資源エネルギー関連株や、旅行・レジャー関連株を中心としたいわゆるアフターコロナ銘柄です。

 筆者は、400銘柄以上のリストを作り、株価チャートを日々ウオッチし、買うタイミングが到来した銘柄を見つけて実際に投資していますが、資源エネルギー関連株やアフターコロナ銘柄には、あまりうまく乗ることができませんでした。

 なぜなら、そうした銘柄がそもそもあまり筆者のリストに含まれていなかったこと、そして、成長株や海運株などを中心にポジションを構築していたため、買うタイミングを逸してしまったからです。

 そうこうしているうちに、資源エネルギー関連株やアフターコロナ銘柄の株価は大きく上昇してしまいました。

株価が大きく上昇している株を買うこと自体は問題ない

 となると、すでに株価が大きく上昇している株を、今から買ってよいものかどうかという話になってきます。

 実は、株価が大きく上昇している株を買うこと自体は、特段問題ないと筆者は思っています。

 例えば成長株であれば、5年、10年かけて株価が何倍、何十倍にも上昇することは珍しくないですし、景気敏感株、直近でいえば海運株は1年半で株価が10倍以上になったものもあります。

 ですから、株価が底値から2倍になったくらいでは、そこから新規に買うことに対して特に躊躇(ちゅうちょ)はありません。

25日移動平均線からのかい離率に注目

 ただし、短期的に株価が急上昇している場合は、話が別です。

 例えば海運株は9月末にピークをつけ、そこから30~40%近く急落しましたが、株価のピーク時には、各社とも25日移動平均線からのかい離率が20~40%ほどに達していました。

 また先日もある石炭関連株が、短期間に大きく上昇したと思ったら突然急落し、高値を付けてから、わずか2日で株価が20%も値下がりしました。

 このように、25日移動平均線からのかい離率が大きくなっているときは、反動で株価が大きく調整することが多いので、安易に手を出さない方が無難です。

 筆者は、25日移動平均線からのかい離率が5%を超えている銘柄は原則として買わないようにしています。どんなに欲しい株であったとしても10%が限度です。もし、かい離率が大きいのであれば、小さくなるまで待ちます。

 株価が急上昇していると、「まだまだ上がる」とか「ここで買わないと乗り遅れる」とつい思ってしまいますが、株価が天井をつけて急落する時は、ある日突然訪れます。そして株価急落は25日移動平均線からのかい離率が大きくなればなるほど、起きる可能性が高まると考えておきましょう。

売り時さえ誤らなければ、大失敗はほぼ避けられる

 それでも、どうしても株価が急上昇している株に乗りたい、という方もいるかもしれません。その場合は、「株価下落による損失が大きくふくらまないような対策」を講じたうえで買うようにしてください。

 例えば、25日移動平均線の代わりに5日移動平均線を用いて、5日移動平均線を割り込んだら売るようにするとか、買値から10%値下がりしたら損切りする、というようにです。

 そして、その対策を確実に実行するために、逆指値注文を活用するとよいでしょう。特に株価が急騰している銘柄は、反落するときのスピードもとても速くなりますから、損切りに躊躇していると、あっという間に損失が膨らみ、売るに売れなくなってしまう可能性もあるからです。

 どんなにひどいタイミングで買っても、売り時さえ誤らなければ大失敗はほぼ避けられます。株価が高いところで買うときは、なおのこと、売り時はシビアに考え、しっかりとルールを決めてそれを守るようにしてくださいね。