米国小売業の決算2:トーリッド(CURV)
トーリッド(CURV)はプラスサイズ、つまり少しふくよかな女性のためのアパレルに特化している専門店です。同社の第2四半期(7月期)決算もよい内容でした。
EPSは予想13セントに対し36セント、売上高は予想2.9億ドルに対し3.33億ドル、売上高成長率は前年同期比+34%でした。
既存店売上比較は+30%でした。1回当たりのトランザクション金額が増えました。
グロスマージンは45.0%でした。前年同期は32.1%でした。グロスマージン改善の理由は値引きセールを控えたためです。
純利益は3,880万ドル(前年同期は1,680万ドル)でした。
修正EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は前年同期比+153%の8,650万ドル(前年同期は3,420万ドル)でした。
グローバル・サプライチェーンの状況は悪いです。その関係で在庫は理想より▲10%前後少なめになっています。
ただ同社は他の小売業者と違い、1年を通じて安定した売り上げがあるので、クリスマス商戦期間への依存度は低いです。またたくさんのアイテムを扱っている関係で、一部の商品が売り切れても他の商品に来店客を誘導しやすいのです。
それらの理由から、サプライチェーンの問題は他社ほど影響を受けないと思われます。
ギャップ(GPS)の「OLD NAVY」がプラスサイズの市場に参入する件に関しては、サイズ10~30の女性は全米に9,000万人おり、市場の規模自体が大きいことに加えて、このセグメントはとてもアンダー・サーブされている関係で、競合他社の参入は同社のビジネスにほとんど影響しないと思われます。
また「OLD NAVY」のプライスポイントは低すぎて、トーリッドの得意客が要求するような高い機能性を、安物の服では提供できない場合が多いのです。
次に価格戦略ですが、トーリッドは、これまでも何度か値上げを繰り返してきました。消費者は自分が支払った値段に見合うだけの品質と満足を届けているブランドに対しては値上げに寛容です。
今後も同社は得意客の期待に応えつつ、相応分の値上げをしていく考えです。
第3四半期の売上高は予想2.9億ドルに対し新ガイダンス3.0億~3.15億ドルが提示されました。
2021年度の売上高は予想12.6億ドルに対し新ガイダンス12.9億~13.1億ドルが提示されました。