米国小売専門店の決算は好調!

 小売業の企業はクリスマス商戦の期間とその後に来る1月のバーゲンセールの売り上げをすっぽりと捉える目的で、わざと決算の締めをカレンダー・イヤー、すなわち12月31日とせず、1月末にしているところが多いのです。このため、四半期決算の締めは1月末、4月末、7月末、10月末となっています。

 いまは第2四半期、すなわち7月で締めた決算が発表されており、総じて好調です。

 この理由は、新型コロナウイルスのワクチン接種が進むにつれて人々が街に出始め、経済が再開しているものの、デルタ変異株のまん延で、旅行需要は再び暗転していることです。人々は旅行に行けない分、モノを買うという消費行動を続けているのです。

 消費財の需要は旺盛で、アジアから北米に向かうコンテナ船の積載量はひっ迫しています。代表的なコンテナ港であるロサンゼルスのロングビーチ港の沖合には、たくさんのコンテナ船が順番待ちの列をつくっています。

 いまはクリスマス商戦期間に向けて、小売業者が在庫を確保する大事な時期なのですが、デルタ変異株でベトナム政府が工場の閉鎖を指示するなど、出荷計画に狂いが出ています。それらのことから小売業者の決算はとりわけ注意深く吟味する必要があります。