米国高配当株4:コメリカ(CMA)

 テキサス州ダラスに本社を置く金融持ち株会社で、傘下にはコメリカ・バンクを擁しています。ビジネスバンク、リテールバンク、ウェルスマネジメントの3つの主要事業を戦略的に展開しており、米国以外にカナダ、メキシコでも事業を展開しています。

 時価総額は100億ドルで、日本円で約1兆1,000億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は商業銀行事業(Commercial Bank)で、続いて個人向け銀行事業(Retail Bank)、ウェルスマネジメント事業(Wealth Management)、金融事業(Finance)、その他事業(Other)となります。

 事業収益の約9割を上げる中心事業の商業銀行事業ではミドルマーケットバンキングにおいて、買収資金の調達やリースなどのサービスを提供し、その他にも企業向けの退職金コンサルティングなど幅広く事業を展開しています。

競合他社

 競合他社として、子会社であるFirst Tennessee Bank National Associationを通じて金融サービスを提供するファースト・ホライズン・コーポレーション(FHN)、消費者金融事業と商業銀行事業を行うシチズンズ・フィナンシャル・グループ(CFG)などが見受けられます。

株式の注目ポイント

 株価は2020年の高値近辺で推移しています。

 また、配当は2020年と同じ水準を維持しています。

 2021年に入ってから自社株買いや、貸倒引当金の減少、預金量の増加、長期金利の上昇などさまざまな要因によって、株価は上昇してきました。

 直近5月の高値と比較すると株価は下落していますが、それでも業績は堅調に推移しています。

 同社は今後もミドルマーケットを中心にほとんどの事業でローンの成長が見込まれると予測しており、それに伴う利息収入の拡大と業績改善、株価回復が期待されます。

業績動向

 2021年7月21日開示の四半期決算ではEPS・収益ともに市場予想を上回りました。

 また、中心事業の商業銀行事業や個人向け銀行事業、ウェルスマネジメント事業で前年同期の水準を超えています。

 今後も、流動性を確保したい中小企業オーナーが、預金がありながらも借り入れを行う流れは継続するとコメリカ側は考えており、ミドルマーケットのローン市場は拡大していくと想定され、それに伴って業績も堅調に推移することが予測されます。

 次回2021年10月20日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 長期金利低下の影響もあり、5月の高値と比較すると株価は下落しています。

 今後も長期金利の動向によって株価に影響が出ることが想定され、その点は注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当2.72ドル
配当利回り:3.62%
株価:74.95ドル(約8,200円)

 権利落ち日は9月14日(権利実施は10月1日)です。

 配当は2.72ドル、配当利回りは3.62%、株価は74.95ドルで約8,200円から購入できます(2021年8月13日時点)。

 2018年以降の最高値は102.21ドル、最安値は26.05ドルです(終値ベース)。