米国高配当株5:ボナンザ・クリーク・エナジー(BCEI)

 石油・天然ガスを生産する独立系エネルギー企業で、米コロラド州のワッテンバーグ油田を中心に事業を行っています。

 ワッテンバーグ油田は低コストで生産効率が高く、埋蔵量も確定しており、インフラも整っていることから同社の安定資金源となっています。現在、コロラド州のニオブララ層とコーデル層の開発を行っており、その開発資金もワッテンバーグ油田からねん出されています。

 時価総額は11億ドルで、日本円で約1,200億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は原油販売事業(Crude oil sales)で、続いて天然ガス販売事業(Natural gas sales)、天然液化ガス販売事業(Natural gas liquids sales)となります。

出所:ボナンザ・クリーク・エナジー決算データより筆者作成

 同社の事業は、環境との関わりを避けて通ることができませんが、同社はコロラド州の大気排出基準と地下水モニタリング規制をクリアし、カーボンフットプリント削減に取り組んでいます。

競合他社

 競合他社として、米国のロッキー山脈地域で原油、NGL(天然ガス液)、天然ガスの探査と生産を行うホワイティング・ペトロレウム(WLL)、石油・天然ガス資源の探査・開発・取得・生産に従事するキャロン・ペトロリアム(CPE)、米国西部に位置する従来の石油埋蔵量の開発・生産を行うベリーコーポレーション(BRY)などが見受けられますが、ボナンザ・クリーク・エナジー社と違い、直近の当期純損益は赤字となっています。

株式の注目ポイント

 株価は2020年の高値を超えて推移しています。

 また、今まで出してこなかった配当を前四半期より開始しています。

 2021年4月1日、同業の「HighPoint Resources Corporation」との合併を行いました。

 今後はさらに2021年第3四半期までに同業の「Extraction Oil&Gas Inc」と「ボナンザ・クリーク・エナジー」が合併を行い新会社「Civitas Resources Inc」を設立し、さらにその「Civitas」が「Crestone Peak Resources」を買収する予定となっており、急激に規模を拡大させています。

 これらにより、生産性向上、コスト削減、フットプリント削減などが期待されていることも株価上昇の理由のようです。

業績動向

 2021年5月3日開示の四半期決算ではEPS・収益ともに市場予想を上回りました。

 前年同期に比べて、中心事業の「原油販売事業」の収益がわずかに下がりましたが、エネルギー価格上昇もあり、天然ガス販売事業と天然液化ガス販売事業が大きく拡大しており、それに伴って業績が拡大しています。

 今後は合併によるコスト削減がさらに進むと想定されており、コロナ後の景気回復と合わせてエネルギー需要が高まることで、さらなる業績拡大が期待されます。

 次回2021年8月10日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 環境への対応、エネルギー価格の変動など様々な注意事項はありますが、やはり今後の合併によって、どれだけの合併効果を生み出していけるかということに注意が必要と思われます。

株価動向、配当利回り

配当1.4ドル
配当利回り:3.83%
株価:36.47ドル(約4,000円)

 権利落ち日は9月14日(権利実施は9月30日)です。

 配当は1.4ドル、配当利回りは3.83%、株価は36.47ドルで約4,000円から購入できます(2021年8月13日時点)。

 2018年以降の最高値は50.44ドル、最安値は9.15ドルです(終値ベース)。

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