米国高配当株2:カーディナルヘルス(CAH)

 医薬品の販売、医療製品の製造・販売を行うグローバル企業であり、40カ国以上で事業を展開しています。

 米国内の病院の約90%にサービスを提供しており、それ以外にも診療所、研究所、薬局から家庭までさまざまな顧客にサービスを提供しています。

 時価総額は150億ドルで、日本円で約1兆6,500億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は製薬事業(Pharmaceutical)で、続いて医療事業(Medical)となります。

出所:カーディナルヘルス決算データより筆者作成

 製薬事業では特殊医薬品、ジェネリック医薬品、市販薬、核医学、バイオシミラー(バイオ後続品)などを取り扱っており、医療事業では麻酔用品、OEM(相手先ブランドによる生産)製品、感染対策製品など臨床医のニーズに対応して、さまざまな製造を提供しています。

 同社の取り扱う製品は急性期医療から在宅医療まで広い範囲をカバーしています。

競合他社

 競合他社として、医薬品、医療製品、医療サービスを提供するマケッソン(MCK)、米国小売薬局、国際小売薬局、および医薬品卸売の3つのセグメントを通じて事業を展開するウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)などが見受けられます

株式の注目ポイント

 株価は2020年の高値まで回復していません。

 しかし、配当は2021年5月6日に1%の増配を発表しています。株価は8月初旬には新型コロナ発生前の水準を超えていましたが、直近開示の四半期決算でEPSが市場予想に届かなかったことが嫌気され、その後、株価が急落しました。

 下落の後、株価は横ばいで推移していますが、そのぶん、配当利回りは以前に比べ上昇しており、配当を目的として保有するのにはよい水準ではないでしょうか。

業績動向

 2021年8月5日開示の四半期決算では収益は市場予想を上回りましたが、EPSは市場予想を下回りました。

 新型コロナによって、医療従事者などからPPE(個人防護具)製品のニーズが高まり、それに備えて多くの在庫を抱えていました。しかし、同社が想定したほどには市場のニーズが高まらず、在庫準備金を計上することとなり、結果、EPSが市場予想を下回る要因となりました。

 2022年は、増配・自社株買いなどの株主還元と、成長分野におけるM&A(合併・買収)を推進していく方針で、それらが実施されることによって今後の株価回復が期待されます。

 次回は11月11日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 取り扱っている製品などから、今後も業績の大きな変動は少なそうですが、今回のPPE製品の在庫準備金の計上などや、物流コストの増加などが業績に与える影響には注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当1.96ドル
配当利回り:3.79%
株価:51.70ドル(約5,700円)

 権利落ち日は9月30日です(権利実施は10月15日)。

 配当は1.96ドル、配当利回りは3.79%、株価は51.70ドルで約5,700円から購入できます(2021年8月13日時点)。

 2018年以降の最高値は75.23ドル、最安値は41.00ドルです(終値ベース)。