米国高配当株3:ビーシーイー(BCE)

 カナダ最大の通信会社です。傘下に、「Bell」「Bell Aliant」「Bell Media」などの複数の子会社を擁し、それらを通じてカナダ全土の消費者、企業、政府機関にサービスを提供しています。

 1880年の創業以来、カナダの重要な通信インフラの整備を推進し続けており、世界トップレベルのブロードバンド・ファイバーおよびワイヤレス技術への投資を行い、業界をリードし続けています。

 時価総額は460億ドルで、日本円で約5兆1,000億円となっています。

事業の注目ポイント

 事業の中心は有線通信事業(Bell Wireline)で、続いて無線通信事業(Bell Wireless)、メディア事業(Bell Media)となります。

出所:ビーシーイー決算データより筆者作成

 有線通信事業ではFTTH(光回線)サービスやIPTV(ネットでの動画配信)サービスなどを提供し、無線通信事業では、LTEアドバンスト(4.5G)サービスなどを 、メディア事業ではカナダ最大のマルチメディアとして、「Bell Fibe TV」のサービスを提供しています。

競合他社

 競合他社として、無線・有線を通じて消費者、企業、政府機関に通信、情報、娯楽の製品とサービスを提供するベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、高速インターネットと高度なWi-Fi(ワイファイ)ソリューション、ケーブルテレビ、電話サービスなど、さまざまな接続およびエンターテインメントサービスを消費者に提供するケーブル・ワン(CABO)などが見受けられます。

株式の注目ポイント 

 株価は2020年の高値を超えています。

 また、配当は四半期ごとに変動していますが、2020年、2019年の水準を超えて推移しています。

 同社は、ブロードバンド市場のシェアを拡大し続けています。

 それ以外でも携帯電話、モバイル接続機器、リテールインターネットおよびIPTVの加入者数が大幅に増加しており、それに伴い業績が好調に推移し、株価もコロナ発生前の水準を超えて推移しています。

業績動向

 2021年8月5日開示の四半期決算では、EPSは市場予想を上回りましたが、収益は市場予想を下回りました。携帯電話の加入者数の増加や、加入者の一人当たり利用額が増加したことで好調な業績につながり、決算発表を受けて株価は上昇しました。

 次回2021年11月4日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 今後も業績は堅調に推移することが予想されていますが、配当は四半期ごとに変動するため、想定より受け取りが少なくなる期があるかもしれず、その点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り

配当2.79ドル
配当利回り:5.45%
株価:51.12ドル(約5,600円)

 権利落ち日は9月14日(権利実施は10月15日)です。

 配当は2.79ドル、配当利回りは5.45%、株価は51.12ドルで約5,600円から購入できます(2021年8月13日時点)。

 2018年以降の最高値は51.12ドル、最安値は31.96ドルです(終値ベース)。高値更新中です