今週の予想

為替の動きに株価がどう反応するか

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないことで、上値は重いものの米国株式が堅調で、先週の日本株式の下値を支えました。一時2万8,000円台を回復したこともあって、今月後半の日経平均株価は期待できるとの見方が多いようです。

 一方で、13日(金)で決算はほとんど出そろい、出来高が再び伸び悩むと方向感のない展開となる見方も多いようです。

 日本株が近々上昇に転じる要因として、為替でドル高基調(円安)が明確になって日本株にプラスになる面が強調されていましたが、先週末の13日(金)に、8月ミシガン大学消費者信頼感指数が約10年ぶりの低水準となり、為替が1ドル=110.29円から109.55円へ急落(円高)するネガティブサプライズが起きています。

 景気回復への懸念が浮上し、このまま金利低下に伴うドル売りに拍車がかかるのかどうか、見極めるところです。

 今月下旬の「ジャクソンホール会議」では、米金利がボトム圏から上放れしてきていることを前提にした会議であり、どういう内容になるのか注目が集まるため、会議開催までは様子見ムードが出てくるかもしれません。

 日経平均は2021年2月16日の年初来高値3万714円から、今週はちょうど6カ月の高値期日を迎えることになります。7月30日に2万7,272円の安値をつけてからのジリ高基調が、この期日明けを機に上向きへ流れが変わるかどうかが焦点となっています。

 しかし、先週の日経平均は12日(木)に一時2万8,279円まで上昇したものの、終わってみれば2万7,977円と2万8,000円を割って引けました。25日移動平均線(2万8,076円)、200日移動平均線(2万7,906円)は日足チャートですから、ここを一時的に抜けるのはよくあることです。

 でも、本当にジリ高を抜けるためには、週足チャートの13週移動平均線(2万8,364円)を上に抜く必要があります。

 逆にさらに下値を探るとすれば、52週移動平均線(2万7,169円)を割り込む場合です。先週のドル急落という為替のネガティブサプライズが株価に影響がどれくらい出るのかを見るところです。

 この視点からは、17日に発表予定の7月米小売売上高が市場予想を下回れば、個人消費は鈍化との見方から、長期金利低下、ドル売りの流れとなります。逆に市場予想を上回れば景気回復は順調として、ドルの下げは限定的なものになり、長期金利も反発することになります。