日本株を動かす外国人売買

 本欄でデータをお見せして繰り返しお伝えしている通り、過去30年日本株を動かしているのは外国人投資家です。外国人が買い越す月は日経平均が上昇し、外国人が売り越す月は日経平均が下落する傾向が30年続いています。

 なかでも、外国人投機筋による日経平均先物の売買は大きな影響を持っています。昨年2~3月コロナショック時に日経平均を暴落させたのは、外国人の売りです。なかでも、日経平均先物の売りは大きな影響を及ぼしました。

 昨年11月以降、日経平均を3万円に向けて上昇させたのが、外国人投資家でした。特に踏み上げ【注】による日経平均先物の買いが大きな影響を及ぼしました。

【注】踏み上げ
日経平均が下落すると予想して日経平均先物の売り建てを積み上げていた投機筋(主に外国人)が、日経平均がどんどん上昇していく中で、損失拡大を防ぐために日経平均先物の買い戻しを迫られること。

 そうした投機筋(主に外国人)による、日経平均先物の売買動向が、東証が発表している「裁定売買残高」の変化に表れています。それを見てみましょう。