足元の日本株は下向きムード

 先週末8月20日(金)の日経平均株価は2万7,013円で取引を終え、前週末終値(2万7,977円)からの下げ幅が964円となりました。前週の2万8,000円台乗せをうかがう状況から、2万7,000円台割れが意識される展開へと転じた格好です。

 足元の日本株は下向きムードが優勢になりつつある印象ですが、いわゆる「夏枯れ」の薄商いの中で売りが目立ったという見方もあり、ここが買いのタイミングと捉えて良いのか、判断が難しいところでもあります。

 まずは、いつものように足元の状況から確認していきます。

(図1)日経平均(日足)とMACD(2021年8月20日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて先週の日経平均の値動きを振り返ると、週を通じて下げ基調が続く展開でした。

 週初の16日(月)に「窓」空けで一段安となり、5日と25日移動平均線を下抜けてしまいました。その後も、その下抜けた5日移動平均線に上値を抑えられる格好で株価浮上のきっかけをつかめず、週末20日(金)には、これまでの年初来安値だった1月6日の2万7,055円も更新しています。

 もっとも、週末の先物取引市場で、日経225先物が大取で2万7,240円、CME(シカゴ・カーマンタイル取引所)が2万7,255円で取引を終えているため、今週は反発スタートが見込まれます。

 とはいえ、下段のMACD(移動平均収束拡散手法)がシグナルを下抜けているほか、先週の下落基調のローソク足が200日移動平均線から下放れしているように見えることもあり、「まだ下げてもおかしくない」形状です。

 そもそも、先週末時点の5日移動平均線が2万7,365円のため、仮に今週の日経平均が先物取引の株価水準で始まったとしても、さらに5日移動平均線を超えるだけの買いの勢いが求められることになります。