米航空会社の決算見どころ2:アメリカン・エアラインズ(AAL)

 アメリカン・エアラインズ(AAL)の第2四半期決算はコンセンサス予想にほぼ一致する内容でした。

 EPSは予想▲1.72ドルに対し▲1.69ドル、売上高は予想74.8億ドルに対し74.8億ドル、売上高成長率は前年同期比+361.0%でした。

・有償旅客マイル数は42,022百万マイル(前年同期比+481%)
・座席有効マイル数は54,555百万マイル(前年同期比+219%)
・乗客マイル利回りは15.57セント(前年同期比+1.6%)
・座席有効マイル当たり売上高は12.00セント(前年同期比+85%)
・座席有効マイル当たり費用は12.90セント(前年同期比▲46.4%)
・客席稼働率は77%

 デイリー・キャッシュ・ビルドは100万ドル/日でした。第2四半期末の時点での手元流動性は213億ドルです。

 中小企業の出張が復活し始めたことで、ビジネス客が増えつつあります。

 欧州路線は、欧州各国が米国からの旅行者に門戸を開放した関係で需要が戻り始めています。これらのことを踏まえ、一時閉鎖していたクラブ・ラウンジを再開しています。

 予約状況に目を転じると、9月以降は現在35~40%予約済みとなっています。夏場に極めて強かったレジャー行楽客は季節的に一段落すると見られるので、今後はビジネス客を取り込むことを狙います。

 昨年、新型コロナがまん延した際、座席予約システムの売り上げ最適化アルゴリズムが、もはや通用しないことが明らかになりました。

 そこで、従来の経験則を無視し、新型コロナの状況下での売上高の最適化を模索しました。

 具体的には、旅行日から2週間以内の直前予約客は新型コロナでも高い値段を払うことから、この土壇場の客をたくさん取り込めるように、座席キャパシティーを設定しました。

 現在の予約状況から判断すると、10月くらいからビジネスの出張が本格的に戻ってくる見込みです。

 第3四半期のキャパシティーは2019年と比べて▲15%から▲20%の水準に設定します。

 第3四半期の特殊要因を除く税引き前マージンは▲3%から▲7%を見込んでいます。