コンセンサス予想を上回る米国航空会社の決算
米国航空会社の2021年第2四半期決算が出そろいました。
サウスウエスト・エアラインズを除くすべての企業が、コンセンサス予想を上回りました。これは、新型コロナウイルスで昨年はどこへも行けなかった人たちが、コロナワクチン接種によって、堰(せき)を切ったように、旅行し始めたことが好業績の主因です。米国内、とりわけ西海岸への旅行が好調です。そして、懸念されていたビジネス客も戻ってきています。
米国航空各社によりそのアプローチには差がありますが、段階的に飛ばす旅客機の数を増やしています。
しかしその半面、大西洋路線、太平洋路線はまだ回復とは程遠い状態です。また、多くの航空会社が、政府からの支援金に助けられています。
いま新型コロナのデルタ株の感染拡大が話題になっていますが、各社の予約状況への悪影響は特に見られません。ただし今後、デルタ株は欧州、アジア諸国の入国規制を左右する要因になると思われます。
欧州は現在、米国からの旅行者に対し、門戸を開いています。一方、米国は対照的に欧州、中国、インド、ブラジルなどからの旅行者に対し、いろいろ制約をつけています。また英国を「旅行しないほうがいい国(do-not-travel warning)」に指定しました。
いずれにせよ、航空各社のここまでの業績の回復、ならびに今後の見通しのよさと照らし合わせて、株式市場の参加者は、これらの銘柄に関して悲観的すぎると思います。