「買い上がり」は難しくても「買い戻し」は進む見込み

 最後に、イベントについても確認します。今週は、国内では15日(木)のファーストリテイリングなど、300を超える銘柄の決算が予定されているほか、米国でもJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーといった大手金融機関の決算があります。

 また、日本銀行の金融政策決定会合や米ベージュブックなど金融政策にらみのイベント、さらに、米6月鉱工業生産や小売売上高、中国でも4-6月期GDP(国内総生産)をはじめ、6月の工業生産や小売売上高、固定資産投資などがまとめて発表されます。

 このように、今週は企業業績・金融政策・景況感への思惑に絡むイベントが相次ぎます。

 また、前回のレポートでも触れたように、最近の日本株は米国株の上昇についていけない場面が増えていました。実際に、先週の米国株は軟調に推移しながらも、週末に上昇し、何だかんだで主要3指数(NYダウ・NASDAQ・S&P500)がそろって最高値(終値ベース)を更新しています。

 好調な米国株市場でも、原油価格の値動きが荒っぽくなったり、中国当局による企業の締め付けをきっかけにした米中関係の悪化を警戒する動きが一部で見られたり、これまで米長期金利の低下を好感してきたIT・ハイテクなどのグロース株が、金利が低下しているにも関わらず売られる場面があるなど、少し不安定さを見せ始めている点には注意が必要です。

 基本的には企業業績を手掛かりに、「とりあえず買えるものを買う」動きは継続すると思われます。

 もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オリンピック開催直前に東京都で緊急事態宣言が発令される事態になってしまうなど、あえて日本株を積極的に買いにくい材料もあり、「買い上がり」は難しいかもしれませんが、少なくとも「買い戻し」は進む展開が見込まれそうです。