日銀がETF買い701億円

 6月21日、日本銀行は、ETFを701億円買い入れました。4月21日に701億円買い入れて以来、2カ月ぶりの買いでした。

 5月以降、日経平均が下がる時も買い入れを行わなかったので、日本銀行は当分ETFを買わないとの見方が広がっていました。少なくとも現水準では買わず、もっと大きく下がった時だけ買うと見られていました。したがって、この水準での日銀買いはややサプライズです。

 私は、中央銀行は、金融危機の時以外、株を買い支えるべきでないと考えています。5月以降、日銀の買いが出ていなかったので、やっと市場原理にゆだねる正常な市場になったと考えていたので、ここで日銀が再びETFを買うのは、少し残念です。

 日銀が、日経平均の下落局面で個人投資家の買い場を奪ってきたことは明らかだからです。日銀が買う分、下落局面で買う個人投資家が買いにくくなっています。

 とは言え、日銀が買うことで、投機筋が先物の空売りを出しにくくなる効果はあります。日銀がETFを引き続き買うのか、これっきりで当分買わないのか、まったくわかりません。それでも、買い手として日銀の存在を見せたことで、投機筋は日経平均先物の空売りを出しにくくなると考えられます。

日本株「買い場」の判断を再度強調

 テーパリングに対する警戒は、やや先走り過ぎていると思います。ショックが一巡すれば、世界景気・企業業績の回復を評価して、日経平均は買い戻されると予想しています。

 したがって、テーパリング・ショックで売られている日本のバリュー株は「買い場」の判断を再度、強調したいと思います。

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