確定拠出年金はこの秋、20周年を迎える

 DC(確定拠出年金制度)は、2001年10月に施行されました。つまり、今年、2021年の秋に「20周年」を迎えることになります。

 そこで、20周年の節目の10月までにかけて、今回から毎月1回、確定拠出年金と、私たちの投資環境について振り返る記事を書いていきたいと思います。

 確定拠出年金制度は、日本版401(k)と呼ばれることもあるように、米国の401(k)プラン、およびIRA(個人退職勘定)制度を参考にデザインされ、確定拠出年金法案が国会提出されたのは、2000年3月のことです。

 当時は多くの反論があり、法案の成立はたいへん難しいものとなりました。

「国が自己責任をいうのは国民の安心を守る役割を放棄することだ」とか「会社が退職金・企業年金の支払額を準備する責任を負うのが当たり前で、自己責任で社員に運用させるなど無責任だ」のような声が、たくさん上がったものです。

 今では「自己責任」という言葉へのアレルギーもずいぶん減り、むしろそれは当たり前のことと理解されるようになりましたが、確定拠出年金が誕生した20年前、老後生活は「自己責任」というだけで、批判される世の中だったのです。

 私は法案提出の前後あたりからこの制度と縁がありますが、20年を経て、普通の会社員が投資をする環境が整い、積み立て投資についての理解が得られるようになるとは、隔世の感を覚えます。