分配金・配当金の名目でも配当所得にならない?

 世の中、さまざまある投資商品の場合の分配金・配当金は、どうなるのでしょうか。

 例えば、不動産会社は個人投資家向けに、小口で不動産投資ができる商品を販売していますし、太陽光発電のファンドや、近年はソーシャルレンディングというものも、はやっています。

 実は大部分の投資商品は、分配金・配当金の課税は「雑所得」となります。これは投資商品の多くが「匿名組合」という方式で運営・運用されているからです。匿名組合から受け取る分配金は、雑所得として課税されることになっているのです。

 課税は、分配金受け取り時にまず20.42%が源泉徴収されます。これで終了ではなく、原則、確定申告が必要となります。

 非上場株式の配当金は、年間10万円まで所得税の確定申告が不要となる特例がありますが、匿名組合の分配金はこれがありません。 

 また、配当金は配当控除の適用を受けることができるため、税額がその分、安くなりますが、匿名組合の分配金は配当所得ではないので、配当控除の適用はありません。

 なお給与所得者で、給与以外に年間所得が20万円以内の方は、所得税の確定申告が不要というルールは、ここまで説明したいずれの場合も使うことができます。

何かに投資する際には、必ず税金の取り扱いを確認!

 投資商品によっては、ウェブサイトのどこを見ても、税金の取り扱いについて書かれていないものもあります。これでは、税金を考慮した利回りが推定できません。

 リターンの推定ができない投資商品など、危なっかしくて手を出せないというのが筆者の思いです。

 また、税金の取り扱いについてかろうじて書かれているが、読んでもよく分からない、というケースも多いです。これは、投資商品を運営している側に、税務に精通している人がいない場合や、何らかの意図があって、あえて触れていない場合、新しいタイプの投資商品なので税務上の扱いがはっきりしない場合が挙げられます。

 中には、「税金の取り扱いについては税理士にご相談ください」と、税理士に丸投げしているケースもあり、税理士である筆者としても困ってしまいます。

 ここまで述べてきたとおり、投資商品によって税金の扱いが異なり、それは税引き後の利回り・リターンに直結する極めて重要な話です。

 何かに投資しようとする際は、投資そのものを吟味するだけでなく、税金の扱いがどうなっているのか、必ず確認する習慣を付けるようにしてくださいね。