投資「以外」の積み立てをする自動化もまた大事 

 積み立て投資の重要性について、インフォメーションを目にする機会が増えてきました。「全額買い! 全額売り!」が投資の全てだと考えられていた遠い昔のことを思うと、少額からの長期・積み立て・分散投資を行う器も整備され、また取り組む人が増えてきたことは喜ばしい話です。 

 一方で、「昔からある、当たり前の積み立て」に目が届いていない心配もあります。 

 なぜなら、積み立てという手法は、もともと定期預金や財形貯蓄などの「積み立て預貯金」から広がってきたものですが、今どきの職場では、「お前も積み立て、やっておけよ」というような、おせっかいな先輩は絶滅危惧種になってしまい、下手をすれば、パワハラだと言われ、ウザがられてしまう可能性があるからです。 

 財形貯蓄などは、労働組合系の金融機関である労働金庫と連携して、労働組合が「勤労者は財形をやっておきましょう」というような活動をしていることがありましたが、今ではこれも下火です。さらに、かつては先輩が職場にやってきて、なかば強制的に財形の申込書を書かせたものですが、今同じことをやったら、さすがに問題となってしまいます。 

 しかし、しぶしぶやっていた月1万円くらいの積み立ても、10年後には120万円になっているわけですから、結婚資金としても困らない金額になっています。計画的でなかった人ほど、「実はやっていた積み立て」に助けられます。