社内の制度、メインバンクの仕組みを使って、「自動積み立て」を追加してみよう

 積み立て投資のほうは、「積み立て投資信託」を普通に設定してもいいですし、「iDeCo」もしくは「つみたてNISA」で行う方法もありますが、預金の積み立てのほうはどうでしょうか。 

財形貯蓄の活用

 会社の制度としてチェックしてみたいのは「財形貯蓄」になります。こちらは会社の指定金融機関に積み立て定期預金をするわけですが、給与振り込みの時点で、貯蓄額は天引きされ、金融機関に直行しています。「振り込まれた手取りで1カ月暮らす」という感覚があると思いますが、貯金を織り込み済みにでき、負担感が軽くなるわけです。 

 財形は3種類あって、住宅財形と年金財形は利息非課税のメリットがあるものの、それぞれの目的のために使わなければなりません。老後資産形成としては年金財形、住宅購入資金準備としては住宅財形で積み立てするといいでしょう(ただ、現行の金利は低いので、あまりメリットがありませんが)。 

 もう一つ、使い道が自由なのは一般財形です。残念なのは利息非課税メリットがないことです。とはいえ、低金利ですから、ほとんど差はないので、まずはここからスタートしてみるといいでしょう。 

 財形は会社が実施しているかどうかによるので、未実施の会社では利用できません。制度がある場合は、ぜひ活用してみたいところです。 

積み立て定期預金の活用

 メインバンクに振り込み後のお金で積み立てを設定するなら「積み立て定期預金」ということになります。最近ではモバイルバンキングのページやアプリからも設定可能です。日付指定が自由であれば給与振込日翌日にしておくといいでしょう。 

 メインバンクの給与振込口座以外の銀行口座を、積み立て定期預金として設定することもできますが、資金移動の問題が生じます。自分でATMに行ってお金を下ろし、他行ATMに出かけて入金するような「手間」は絶対に避けるべきです。サボるのがオチで、貯まるものも貯まらなくなります。 

 積み立て投資信託の場合、指定銀行から無料で自動引き落とししてくれますが、ライバル銀行の間で無料自動振り替えをするサービスは限定的です。また、資金移動を無料でできても資金移動に数日以上かかることがあります。それでも高金利を獲得するチャンスがあるのなら、資金移動の自動化を利用してみてもいいでしょう。 

 積み立て定期預金と、積み立て投資は相性がいい組み合わせです。上手に利用してみてください。