「預貯金積み立て」+「投信積み立て」のポートフォリオはなかなかいい 

 ところで、投資をする人は、積み立て定期預金のような金融商品を、投資より軽く考えてしまう傾向があるようです。 

 しかし、「資産全体のポートフォリオ」を考えたとき、定期預金のような安全性資産のポジションを取っておくことは、悪いどころか合理的、かつ戦略的に考えておきたいテーマの一つなのです。 

 まず、資産全体のリスクを落としたいなら、安全性資産を一定程度保有しておくことが一番有効です。リスク資産では市場のリスクは回避できませんが、定期預金保有分についてはそうした元本割れリスクをほぼ完全に回避できます(最近は金融機関の破綻リスクも後退しているので)。 

 そして、資産全体のリスク資産保有割合は、積み立て投資を継続していると自然と高まっていきますが、これに対する対策になります。 

 例えば、定期預金100万円に、毎月3.3万円のつみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を継続していたとします。 

 スタート時点ではリスク資産保有割合は微々たるものですが、3年後には預金100万円+投資信託120万円とポートフォリオ全体に占めるリスク資産ウエートが逆転します(リスク資産ウエートは54.5%。ただし元本ベースなので、運用益によってはリスク資産ウエート60%超もあり得る)。 

 ここで、つみたてNISAを行いつつ、同時に月1万円の積み立て定期預金もやっておけば、3年後の資産額の割合はずいぶん違ってきます。定期預金136万円+つみたてNISA120万円が入金額ですから、リスク資産の割合は、まだ5割を超えません。 

 自分なりの投資割合を意識し、キープすることはきわめて重要ですが、「積み立て定期預金」の存在が、その調整弁として機能するわけです。